“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>32.インテック

2003/12/08 20:43

週刊BCN 2003年12月08日vol.1018掲載

 インテック(中尾哲雄社長)が、競争力強化の原動力となる「北陸ソフトウェア工場化」を推進している。「北陸ソフトウェア工場化」とは、これまでインテックの各地域本部で、それぞれ行ってきたソフトウェア開発を、北陸地区に集約して開発コスト削減を図るプロジェクト。

「北陸ソフトウェア工場化」を推進

 北陸地区のソフト開発コストは、首都圏など大都市圏に比べて1-2割安いと言われる。インテックでは、開発コストの安い北陸地区にソフト開発を集約すると同時に、一部を中国の開発拠点に発注することで、より一層のコストダウンを推し進める。

 まず、手始めとして、今年度(2004年3月期)内をめどに、東京などを統括する首都圏本部のソフト開発案件を北陸へ移管させる。その後、関西、中部地区のソフト開発案件を移管する。

 中国での開発単価は、国内平均の半分ほどに抑えられるとしており、これに北陸地区での開発をあわせて、価格と品質の両面での競争力を高める。

 インテックでは中国の大手ソフト開発会社、ニューソフト(劉積仁総裁)と提携し、今年10月、中国ソフト開発の第1号拠点となる「大連センター」(中国遼寧省)を開設したのに続き、12月1日から、インテック100%子会社として中国湖北省・武漢市に「インテック情報技術」を設立し、本格稼働させた。

 大連センターは、ニューソフトとの提携により品質を高め、一方、インテック情報技術は、コンピュータ科学を専攻する約6000人の武漢大学の卒業生を主に採用することで、高水準の開発体制を築く。

 ただし、北陸への集約や、中国への発注を増やせば、国内の各地域本部の開発案件は減少する。現在、国内各地域本部のソフト開発のために関連会社や協力会社などの要員約2000人が携わっている。これら開発要員の仕事を減らさない方策として、インテックでは「仕事の母数を増やす」ことで対処するという。

 「北陸ソフトウェア工場」の“工場長”を自負する川浦正博・北陸地区本部アドバンスト・テクノロジー・システム部長兼システム・ソリューション部長は、「業務システムのパッケージ化が進むなか、開発案件そのものが減っている。そのうえ開発コストを抑えて、競争力を高めなければ先細りになる。まずは、コスト競争力を高め、受注数そのものを増やせば、会社全体としての仕事と収益は増える」という。(安藤章司)
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