変革セキュリティビジネス

<変革セキュリティビジネス>6.日本ビジネスコンピューター(JBCC)

2004/02/09 20:43

週刊BCN 2004年02月09日vol.1026掲載

 IBM系システムインテグレータとして、中小企業をメイン顧客にビジネスを手がける日本ビジネスコンピューター(JBCC)。顧客の約7割が、社員数100-300人の製造および流通業だ。情報セキュリティビジネスでは、まずはこの顧客にくまなくセキュリティ関連製品・サービスを販売することに主力を置くなど、ターゲットを明確にしている。セキュリティを切り口に新規ユーザーを獲得しようとは現段階では考えていない。中小企業のセキュリティ対策が進んでいないことから、これまでセキュリティ分野以外での受注実績がある顧客を、当面の拡販ターゲットとして提案していくことが先決とみる。

サービスで収益確保

 だが、赤坂喜好・取締役執行役員マネージメント・サービス事業部長は、セキュリティビジネスの現状を、「製品販売やシステム構築だけでは利益確保は難しい」と、厳しく受け止める。また、「ネットワーク構築事業のように、(セキュリティ関連)製品の単価下落が始まれば、より一層ビジネスの旨みはなくなっていく」と、むしろ危機感を示している。そこで、赤坂取締役が中心となって、昨年6月から力を入れているのが、利益率の高いマネジメントサービスの拡販。ファイアウォールのマネジメントや、ウイルスチェックサービスなどのさまざまなセキュリティ機能を、JBCCのアウトソーシングサービス拠点「ソリューションマネージメント&アクセスセンター(SMAC)」で、ユーザーに代わって運用保守を行うサービスだ。「中小企業をメイン顧客にシステム構築を手がける企業で、365日24時間のサービス拠点を保有する企業は少ない」(赤坂取締役)と、自社の強みを生かしたマネジメントサービスを展開していく。

 このビジネスが好調で、昨年12月末までに約240社に導入した。事業区分も昨年9月を境に、従来のネットワーク事業からマネージメントサービス事業部に移管し、セキュリティビジネスをサービスとして明確にしている。製品としては、(1)認証、(2)アクセス制御、(3)暗号化の3つを「セキュリティ御三家」(赤坂取締役)と位置づけ、これらを中心にセキュリティベンダー17社から製品を揃える。上流工程のコンサルティング分野では、JBCCの技術者がハッカーとなって擬似アタックを行い、ネットワークの脆弱性を解析する「セキュリティ診断サービス」を一部無料で提供することで、顧客のセキュリティ意識を高め、拡販につなげる施策も始めている。(木村剛士)
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