立ち上がるグローバルサプライチェーン ロゼッタネットの衝撃

<立ち上がるグローバルサプライチェーン ロゼッタネットの衝撃>24.グローバルMP「Payment」

2004/02/16 16:18

週刊BCN 2004年02月16日vol.1027掲載

 Payment Milestone Program(PMP)は、ノキア、シスコシステムズ、インテル、テキサスインスツルメンツ、ナショナルセミコンダクタといったRosettaNet.orgのボード企業が中心となって、金融業界における国際的な標準化団体であるSWIFTや銀行、クレジットカード会社と協同で進めているマイルストーンプログラム(MP)であり、ハイテク業界のみならずほとんどの業界で問題となっている売掛金の消込作業を軽減すること、支払いまでの期間を短縮することでサプライヤー側のキャッシュフローを改善することなどを目的としている。

 PMPで定義したプロセスは図に示す通りである。バイヤーはセラーおよびバイヤー取引銀行にそれぞれ、支払通知書と送金依頼を送信する。送金依頼は既存の銀行間決済システムを通じて処理され、セラー取引銀行からセラーへ入金通知が行われる。これらの送信データは、18文字の支払番号(URI:Unique Remittance ID)により関連付けられているため、セラーにおいて支払い通知と入金通知を照合させることが容易になる。PMPのディレクターであるノキアのDavid Blair氏によれば、このプロセス自体は、ロゼッタネット(RN)標準に限定せず、あらゆるEDI(電子データ交換)標準や銀行間システムで利用可能になるように設計されており、日本の全銀協手順も考慮に入れているという。

 PMP参加企業 ・銀行は、PIP3C6/RNIF、SWIFTメッセージを利用した実装を(図中カッコ内参照)開始しており、2003年12月までに10接続を、さらに04年12月までに少なくとも40接続を行うことを目標として掲げている。

 ロゼッタネットは、ハイテク業界における有力企業が活動の中心となり、主として受発注や電子カタログ情報といったバイヤー・セラー間の情報交換が実装の中心となっていたが、03年になって、銀行・決済機関や物流業者が積極的に参加し始め、PMPのような金流分野や物流分野のマイルストーンプログラムが次々と発足しているなど、真の意味でのサプライチェーン構築がいよいよ本格化しつつある。ロゼッタネットジャパン(RNJ)でも未来貢献チームとして、物流・金流分野への展開について積極的に取り組んでおり、皆様の参加を期待している。(NTTコミュニケーションズ ロゼッタネットジャパン 未来貢献チーム 伊坂 広明)

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