大遊泳時代

<大遊泳時代>第7回 カラオケと知財権

2004/02/16 16:18

週刊BCN 2004年02月16日vol.1027掲載

松下電器産業 役員

 昔、飲む打つ買うが、今、カラオケ、ゴルフ、英会話が世の三拍子である。そのカラオケはアニメ、ゲームと共に日本のソフト輸出の3大柱となった。うれしいことである。ところで「カラオケ」の語源はご存じですか。和製英語ではない。昭和31年の松下電器ラジオ事業部社内報では「10月、宝塚歌劇場が戦後混乱の中、楽団員のストライキで危や公演中止という時、頼まれた松下電器がテープ演奏を提供し、オーケストラボックスは空っぽ。即ち『カラオケ』だったが雪組は唄も踊りもできた」。これがカラオケの始まりである。

 その時先輩がカラオケを商標登録していたら、どうなっていたろうか。味の素、セロテープ同様にすごかったろう!! そしてもう1つ、数年前「TIME」誌が「今世紀、アジアに最も影響のあった人物20人」特集で、毛沢東、ガンジー、昭和天皇、盛田昭夫に並び井上大佑の名があり、皆は何者かと驚いた。

 月刊カラオケファン社長の荒内氏によると、井上大佑氏は神戸でクラブの弾き語りをしていた時、音痴な酔客にあわせて演奏するシステムはないかと工夫し、昭和46年、手作りマシンに8トラテープをつけて「8juke」という名でクラブにレンタルしたのが始まりという。井上氏もこの時、特許を取っていたら、世の中大きく変わったかもしれない。(2003年5月号文芸春秋)

 以降、カラオケは約10年間、8トラ時代が続き、'80年代はLD、VHD、CDVの映像カラオケとなり、リモコンや採点機なる便利機能もでてきた。そのあとスナック、家庭からBOX市場、通信カラオケ、そして今は携帯に着カラ、パソコンにカラオケ配信と進化は切りがない。結論、カラオケはハードメカ、伝達圧縮技術の変遷にサーフィンの如く乗って発展した文化だなと主張したら、ワトソン君は「ソフトコンテンツ抜きの文化論は半端ですよ」と然り顔していた。
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