IT Stock Frontline

ライブドア株式分割

2004/05/24 16:04

週刊BCN 2004年05月24日vol.1040掲載

株主50万人目標

ユーザーの拡大策

 積極的な買収戦略で知られるライブドアが株式市場で再び話題を提供している。今年6月末の株主に対して1株を10株に分割すると5月10日に発表した。

 同社は2002年末に1対10、昨年末に1対100の株式分割を実施しており、今回を含むトータルでは1株が1万株に分割される。たび重なる株式分割は株主数の増加が目的。株主数は昨年末の9176人に対して今年3月末には約7万人に達した。「当面は株主50万人が目標。1単位6000円では、まだ(株価水準が)高い。株式分割で注目を集め、株主数を増やす。それをユーザー拡大につなげていきたい」と会社側は語る。

 今年に入ってからの株価の動きは激しく、利益獲得のチャンスが多いという意味ではまさに個人投資家好み。昨年末の株式分割後の理論値2200円に対して1月末には1万8200円まで約8倍に急騰、2月末には一転して2600円まで急落、5月は6000円前後の動き。事業展開としては昨年、日本グローバル証券とネット広告のバリュークリックジャパンを買収している。

 同じネット関連企業として中心的存在のソフトバンクは赤字幅が過去最大に膨らんだ04年3月期決算を嫌気して株価は急落。ヤフーBBの顧客数は400万人を突破したものの、2、3月の顧客獲得は7万件程度にとどまり期待外れ。これまで四半期ごとの赤字幅縮小を株式市場は評価してきたが、今回の決算はそれに水を差したとの見方もあった。

 相場全体の波乱にもかかわらず高値圏で強調の楽天は決算を好感。04年1-3月は経常利益が35億円と前年同期の4.7倍に。昨年買収した宿泊予約サイト「旅の窓口」、ネット証券のDLJディレクトSFG証券の収益が寄与した。

 一方、東証の時価総額トップの座をトヨタに先日譲ったNTTドコモ。株価下落が続き、時価総額はついに10兆円の大台を割り込んだ。ITバブル時の00年2月には最大43兆円まで増大。10兆円台割れは99年3月以来。「05年3月期の連結営業利益が前期比25%減の8300億円になる見通し」と発表。機関投資家などからの失望売りが増えた。(有賀勝久)
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