小型スキャナがついた「名刺OCRソフトウェア」市場で国内トップシェア(BCNランキング)を保持するメディアドライブは、今年4月にNECのIP電話のサーバー保守・運用を請け負う「IPセントレックサービス」の一部を導入した。同社の谷村外志男・取締役会長が提唱する「外を闊歩して営業する」スタイルを形成するのに最適だったことから、同サービスの「ソフトフォン」を全社的に採用した。

年間1200万円のコスト削減

 ソフトフォンは、IP網を介してパソコン同士、電話同士、パソコンと携帯電話間で電話機能を使える。これにより、営業担当者用の会社支給の携帯電話が不要になり、パソコンで連絡交換ができるようになった。さらに製品の仕様書や企画書などのファイルを見ながら「テレビ会議」もでき、メディアドライブの研究施設の拠点間などで有効利用できると考えた。

 システムを担当する青柳孝則・営業本部ITネット事業統括マネージャ兼ITネットグループリーダーは、「当社製ソフトのユーザー数が増え、サポートの迅速化と製品開発のスピードを高めた結果、打ち合わせやサポート用の通信コスト、PBX(構内電子交換機)の運用費用などが急激に増えてきた」と、コスト削減としてNECの同サービスに興味を示したようだ。

 実は、メディアドライブでは2002年頃から、既存の電話通話用のIP-PBXを使って音声データを送受信するVoIPを応用したインターネット電話通信プロトコル「SIP」上で、マイクロソフトのメッセンジャー機能を利用するシステムを自社で構築した。したがって、システム担当者はIPプロトコル環境の扱いに慣れており、ソフトフォン導入時も、ほとんどのシステム構築を同担当者らで実施したほどだ。ソフトフォン導入費用は、PBXに代わるNECのSIPテレフォニーサーバー「UNIVERGE SV7000」や人数分のソフトフォン用ソフト、内線用電話機などで、計約1500万円。ソフトフォンには、不在メッセージを相手に通知する「ユニファイド機能」などがある。メディアドライブでは、この機能を例にコスト削減額を試算している。

 例えば、社員Aが別の拠点の社員Bに外線電話をかけるとする。社員Bが不在の場合、社員Bはその後、社員Aに折り返し電話をかける。メディアドライブの試算によると、同社社員は1日平均4回は拠点間で外線電話をかけ、このうち1回は相手が不在で折り返し電話をしている。ユニファイド機能があれば、不在による折り返し通話(1日平均15秒)は不要になる。不要通話の料金削減で年間約180万円が浮くという。その他、ソフトフォン導入による年間のコスト削減額は約1200万円。1年余りで導入費用を取り返せる計算だ。(谷畑良胤)