WORLD TREND WATCH

<WORLD TREND WATCH>第206回 64ビット移行時代到来

2004/06/14 16:04

週刊BCN 2004年06月14日vol.1043掲載

 2004年5月開催のマイクロソフト「ウィンドウズ・ハードウェア・エンジニアリング・カンファレンス(WinHEC)」で、同社ビル・ゲイツ会長は最高ソフトウェアアーキテクトとして、次のように64ビット時代到来が近いことを述べた。「05年末までにインテル、AMD両社とも、すべてのプロセッサで64ビットをサポートするようになり、パソコンもサーバーも本格的64ビット時代に突入する」

ゲイツ氏がドライバ開発を要請

 続けてゲイツ氏はカンファレンス参加者に向って、「当社も64ビットの本格的OS出荷を間近かに控えているが、この市場での普及がスローテンポになることは絶対避けたいと考えている。この普及を加速するには64ビット対応各種デバイスドライバの品揃えが極めて大切となる。64ビットドライバの不足が64ビット時代到来の障害になってはならない」と、参加者にドライバ開発を急ぐことを要請した。

 同社プラットフォーム担当ジム・アルチン副社長は、「ウィンドウズXPと、ウィンドウズサーバー2003フォー64ビットエクステンデッドシステムが、本年第4四半期に出荷される」と説明した。64ビットプロセッサでは32ビットとの互換性で、インテルItaniumより、AMD Opteron の勢いが強い。インテルもこれを挽回するため、64ビット対応のXeonなどを発売するが、ここでは逆にインテルがAMD互換路線を採るという誤算もあった。

 既にOpteronはデル以外の有力ベンダーのIBM、ヒューレット・パッカード(HP)、サン・マイクロシステムズがすべて採用済みだ。このためマイクロソフトもサンとの包括的技術提携発表時に、サンが既に発表していたOpteronサーバーの64ビットサポートに注力するとのコメントを発表していた。ゲイツ会長とアルチン副社長はともに、同社次世代OS「Longhorn」の出荷時期については明言を避けた。

 しかし、この次世代OSが出現する時に市場は完全に64ビットへの移行時代を迎えているのは確かだ。64ビット時代にはインテルとAMDの競合が激しくなり、ウィンドウズサーバーだけでなく、Linuxサーバーも両プロセッサの競合が激しくなると、米国ソリューションプロバイダ(SP)は予測する。自社でも64ビットのホワイトボックスを組み立てるシカゴデジタルのマーク・ハロン社長は、「当社は64ビットサーバーではLinuxを重点OSと考えているが、プロセッサ選択では頭を悩ませている」と語る。

 一方、64ビット時代のRISCでは、サンの開発力が弱体化していることもあって、IBMのPower1つに絞り込まれる。IBMは自社Powerの主力市場はUNIXサーバーと考えているが、Linuxも重要な標的としている。このためIBMは自社Powerアーキテクチャを広く認知させるため、これを各ベンダーに提供するというオープン戦法も展開している。32ビット時代には、インテルが市場を席巻したが、64ビット時代にはこの競合にAMD、IBMが加わり、特に当面Linuxでは混戦が続くことになる。(中野英嗣●文)

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