大遊泳時代

<大遊泳時代>第33回 楽屋うけにおぼれるな──わかりやすいショウ展示を

2004/08/30 16:18

週刊BCN 2004年08月30日vol.1053掲載

松下電器産業 役員 前川洋一郎

 6月29日、国立国語研究所より馴染みの薄い外来語を日本語に置き換える「言い換え語」の発表があった。ユビキタスは適当な言い換えができず今回見送りとなった。なるほどという内容ばかりで、我々AV-IT業界も最近の展博を見て反省や勉強すべきと思った。3月京都ケータイ国際フォーラム――小さいながら地元の企業、大学、行政が一生懸命に運営。さすが京都は学生の街。ベンチャー出品が多い。5月ビジネスショウ――昔と比べて人が多くなく、派手なコンパニオンがいなくて、目移りせずじっくり見て歩ける。OA→MM→NWから次の転換期に入ったが、中小ベンチャーの社員の仕事そのものの手作りの展示と説明迫力には感銘した。

 6月ケーブルテレビショウ――デジタル地上波の始まりで、映像、ISP、IP電話に続いて、テレビ上でのインターネットサービス「Tナビ」がCATVに導入され展示。全国のCATV局の熱心な勉強態度とコンテンツサービス業界の真剣な売り込みには現場感覚が濃く、今後このセンスをなくして欲しくない。7月ネットワールド・インターロップ――RFIDが入門バッチに仕込まれ、さすが先進のITショウである。ようやくVoIPが事業になりだし、セキュリティは離陸した。しかし、IPv6とモバイルIPは、相変わらず地に足がつかない感じ。いずれも辛口にみると、企業向けソリューションが中心なのか、単品システムが中心なのかわからない。

 私も経験したが、当事者はどうしてもドツボにはまってしまう。ショウ展博も原点を洗い直し、さらに、わかり易い展示説明を問い続けて欲しい。わかりにくい英語、外来語、カタカナの羅列は気をつけたいものだ。ねえワトソン君!!「NABやCeBITならいざ知らず、もっと日本語を大切にしたいね」。「その通り、言い換え語の併記を義務づけてはどうかな!!」と意見が一致した。
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