変革セキュリティビジネス

<変革セキュリティビジネス>34.電通国際情報サービス

2004/09/06 20:43

週刊BCN 2004年09月06日vol.1054掲載

 電通グループのシステムインテグレータである電通国際情報サービス(iSiD)は、大手の金融業や製造業などを中心として、同社がこれまでシステム構築を手がけてきた顧客をターゲットにセキュリティビジネス拡大を図る。セキュリティ分野が成長市場であることから、セキュリティビジネスを強化・アピールし、システム構築事業で競合他社との差別化を図ろうとするシステムインテグレータは少なくない。だが、iSiDは、セキュリティを切り出して新規顧客を獲得することはしないとしている。

コンサルティングありき

 「金融業や製造業など、これまでシステム構築やアプリケーション開発を手がけた顧客のセキュリティ対策が、まだ十分とは言えない。情報漏えい事件や個人情報保護法の施行に備え、セキュリティに対する投資はますます活発になる。ここにアプローチするだけでも、かなりのビジネスになる」と、セキュリティソリューションの企画・開発を手がける石沢利明・ビジネスソリューション事業部プロダクト企画部シニアコンサルタントは説明する。

 既存顧客への提案では、システム構築やサービス提供以前の上流工程となるコンサルティングサービスを重視する。セキュリティ事業の強化に取り組んできたのは約1年前からで、他のシステムインテグレータに比べたら遅いが、コンサルティングサービスでは、約10人のセキュリティ関連コンサルタントチームを早くから作っている。その場しのぎのセキュリティ対策ではなく、“人的・物理的・組織的”な面から総合的にセキュリティ対策を提案する。「顧客の要望はさまざまで、その都度カスタマイズが必要になる。製品・サービスありきではなく、あくまで顧客の悩み・課題を聞き、ビジネスを進めることが重要であり、顧客の要望を吸い上げることがビジネスの大前提になる」と、石沢シニアコンサルタントは話す。

 強化施策に取り組み始める以前は、アプリケーション開発や業務システム構築の中で、「その都度必要であればセキュリティ製品・サービスを導入してきたが、体系立ててしっかりとしたスキームでセキュリティを提供していなかった」(石沢シニアコンサルタント)という。電通本社やiSiDを含め電通グループは現在、来年3月までに「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)適合性評価制度」および英国のセキュリティ規格「BS7799」の認証取得に向けて体制を整えている最中。自社でISMS認証の取得を経験することで、「コンサルタントの質も上がっていく」(同)と、自らの取得ノウハウを顧客へのコンサルティングサービスにも生かそうとしている。(木村剛士)
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