大遊泳時代

<大遊泳時代>第40回 忘れた頃にやってくる天災にITで対処!!

2004/10/18 16:18

週刊BCN 2004年10月18日vol.1060掲載

松下電器産業 役員 前川洋一郎

 天災は忘れた頃にやってくるとはまさにこのこと、9月9日午後7時、近畿・東海地震には驚いた。ユラユラ、ミシミシ。あっ!!大きい!!いや、これは阪神の時と少し違う。上から下へドスンと落ちるような感じがない。大丈夫だと言いつつ、「おい、あの、あれ、地震用に作ったリュックはどこや」。しまった場所がわからない。──やっと探し当てて中を見て、「なんや、あの時のままやないか」、「ラジオも懐中電灯も、電池もウーロン缶もビスケットもあめちゃんも」、「なんやこれ、10年前の子供のおもちゃまで入ってる」といって夫婦ゲンカをしている間に、午後11時過ぎ2回目の地震。

 テレビで震度4-5と言っている。おじいちゃんの所は大丈夫か、子供の下宿はといいつつ外に逃げるのに「ケータイ」を携帯するのを忘れて、大慌てで戻って電話したがなかなかかからない。「誰や、こんな時に電話をかけてる奴は!!」と怒っても仕方ない。後日、電波新聞の電波時評を見ると、富山の置き薬ではないが、地域電器店が「防災の日」に各戸訪問して電池交換・補充サービスを契約すればと載っていた。放送評論家の西正氏のコラムでもラジオに代わって、これからはモバイル放送、地上デジタル放送の時代、テレビの映るケータイが重要になると書いてあった。しかしケータイの充電は?バッテリーの充電器はあったかな?

 もう1つ心配なのが愛犬である。避難所まで連れて行って、ワンワン他人に吠えても迷惑だし、そのままにして三宅島のようなこともかわいそう。逃げ出した時、探すのも大変。取り急ぎ簡単な首輪をつけ、電話番号を書いておいた。愛犬はしごく迷惑そうだったが…。ところで、この首輪にも位置検出器が仕込まれるとかの工夫があればいいのにと思った。ねえワトソン君!!「迷い犬もGPS(全地球測位システム)で探せるようにして欲しいね」。「何を言ってるのですか。犬より人間様のリュックに発信機をつけてすぐ見つけるのが先!!」と注意された。
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