IT Stock Frontline

電機大手の9月中間決算 デジタル家電で明暗分ける

2004/11/08 16:04

週刊BCN 2004年11月08日vol.1063掲載

松下電器の一人勝ち

 「満足すべき以上の数字」──。決算説明会の席で自信たっぷりに語ったのは松下電器産業の中村邦夫社長。デジタル景気のなかで商品戦略が成功した同社の2004年度9月中間決算は、電機大手のなかでは一人勝ちともいえる結果となった。

 アテネ五輪を前に薄型テレビの新製品を投入、特需をさらう戦略で市場シェアを一気に高めた。中間期の連結営業利益は1563億円(前年同期比96%増)に膨らんだ。

 逆に決算の数字が期待はずれで株価が急落したのがパイオニア。05年3月期の営業利益を従来予想の500億円から270億円(前期比38%減)へと大幅に下方修正した。DVDレコーダーの価格下落にコストダウンが追いついていないほか、カーナビなど車載機器部門の利益も計画を下回るという。株価は1800円台に急落、今年4月の3300円台の高値からは40%超の下落となっている。

 ビクターは薄型テレビの価格下落、ビデオカメラの不振で05年3月期を下方修正(連結営業利益は230億円から170億円に)。また、リコーも光ディスク駆動装置事業からの撤退にともなう損失が足を引っ張ることで通期の見通しを下方修正。ビクター、リコーの株価も本年の安値を更新した。

 デジタルカメラの分野ではキヤノンが今年の世界出荷台数を1470万台(前年度比3%減)に下方修正した。デジカメではペンタックスや、他社にOEM(相手先ブランドによる生産)供給している三洋電機などが生産計画を下方修正している。

 そしてソニー。9月中間期の営業利益は531億円(前年同期比6%増)と増益を維持して貫禄を示したが、これは「スパイダーマン2」などがヒットした「映画会社・ソニー」としてのもの。エレクトロニクス部門の営業利益は73%減とデジタル家電分野での攻勢の遅れが響く形となった。(有賀勝久)
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