IT Stock Frontline

ヤフー、ミロク情報など、株式分割が相次ぐ

2005/03/07 16:04

週刊BCN 2005年03月07日vol.1079掲載

リターン大きい成長企業

 ヤフーが3月末割り当てで1対2の株式分割を行う。1対2の株式分割とは1株を保有している株主にもう1株を無償で交付するもの。発行済み株式数が2倍になるため、理論上は株価は2分の1となるが、成長企業の場合は株価が上昇をたどり、長期保有すると投資家のリターンは大きくなるケースが多い。

 ヤフーの今回の株式分割は1997年11月の上場以来11回目。ちなみに、上場初値(200万円)で購入したヤフー1株は今年2月末では1024株に増え、評価額は約5億円(株価50万円)になっている。7年強で250倍の上昇という投資物件は世界中を探してもそうないだろう。

 ヤフーは今年3月末に行なわれる日経平均株価の構成銘柄見直しの採用有力候補となっており、株式分割の権利取りの動きと合わせて先行き人気化が読まれる。

 ヤフーのほかにも3月末に株式分割を行う企業が多い。財務会計ソフトのミロク情報サービスは1対2の株式分割を行う。00年(1対1.1)に続く株式分割となるが、株価水準を下げて個人株主数を増やし、東証1部指定替えを狙う方針。

 ローランドDGも1対2の株式分割を行う。欧州中心に大型プリンタの販売が拡大。04年4-12月期の経常利益は35億円強(前年同期比2.2倍)に膨らむなど業績は絶好調。5000円台まで上昇した株価の水準を下げて投資家層を広げたい意向のようだ。

 ネット証券最大手の松井証券は3月末割り当てで1対3の株式分割を実施する。決算と株式分割を発表した翌日の1月25日には株価は3870円と上場以来の最高値を更新した。個人投資家のインターネット取引増加を受けて業績は絶好調。「無期限信用取引」など斬新なアイデアのサービスを次々と提供。特に頻繁に株式売買を行うセミプロ投資家から信頼を獲得している。(有賀勝久)
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