IT Stock Frontline

日米でネット企業が好決算

2005/05/16 16:04

週刊BCN 2005年05月16日vol.1088掲載

グーグル、純利益は5.7倍に

広告の伸びが売上増に寄与

 日米でネット関連企業が好決算を発表、株価にもインパクトを与えている。

 米国ではサーチエンジンのグーグルの好業績が関心を集めた。1-3月期の売上高は前年同期比93%増、純利益は同5.7倍に膨らみ、マーケットの事前予想を大きく上回った。検索時に入力したキーワードに関連した広告を表示する検索広告の収入が2倍に拡大したことが要因。グーグルに先立って米ヤフーも好決算(売上高55%増、純利益2倍)を発表したが、こちらも検索広告の売上高増加が寄与した。

 国内ではヤフーが2005年3月期の決算を発表。売上高は1177億円(前期比55%増)と1000億円の大台を突破、営業利益は601億円(同46%増)と過去最高を更新した。

 収益拡大の要因は米国と同じようにネット広告の伸び。1日当たり10億回を突破している閲覧回数がサイトの価値アップにつながり、それが広告の伸びにつながっている。

 家庭でのブロードバンド利用者は2000万人超に達するなど、本格的なネット社会到来のなかで、ネット広告市場は03年の1180億円から04年は1500億円超に増加した模様。それでも総広告費に占めるネット広告の比率は2%に過ぎず、米国の5%、韓国の4%を大きく下回る。ネット広告の市場規模は08年には3000億円に膨らむとの観測があり、関連企業の収益にも好影響を与えよう。

 ネット広告代理店サイバーコミュニケーションズは05年3月期が従来予想を大幅に上回ることを決算発表(5月10日)に先立って明らかにした。売上高は241億円(前期比60%増)、経常利益は9億4000万円(同86%増)という好調なもの。金融、通信といった従来の広告主に加え自動車など他の業種に広がりを見せるとともに、受注単価が上昇している。(有賀勝久)
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