IT Stock Frontline

新興市場の人気回復

2005/07/11 16:04

週刊BCN 2005年07月11日vol.1096掲載

ネット企業が好調

ジャスダック平均、10日間連騰

 原油価格高騰や米国株価の軟調から停滞が続く東京市場だが、東証マザーズやジャスダックなど新興市場には回復の動きが見られる。株価指数のジャスダック平均は6月30日まで10日間の連騰を記録した。

 人気回復を代表するのが東証マザーズのライブドア。昨年7月、プロ野球球団買収に名乗りを上げた直後に付けた1205円を高値に今年4月には292円まで下落していたが、6月末には390円台まで戻してきた。球団買収騒動による知名度アップ、さらにはブログでの高いシェアを背景にポータルサイトのアクセスが急増しているほか、広告受注の急増、グループの金融業の成長を評価する声も多い。

 最近ではトミーとタカラの合併を演出したことで話題のインデックス(ジャスダック)も連日の高値更新。これまで積極的すぎる買収戦略が警戒感につながっていたが、落合正美会長が「当面は今の企業規模を維持」と先に発言、拡大一辺倒の路線を修正したことを好感している。

 ネット広告代理店の大手であるオプト(ジャスダック)が急騰。ヤフーなどの広告枠販売が好調で、2005年12月期は50%超の増収益の見通し。同じくネット広告のサイバーエージェント(東証マザーズ)の株価も上昇している。

 一方、米国市場では原油高騰による景気減速懸念が重荷となり株価波乱が続くなか、ネット検索大手のグーグルの株価上昇が話題を集めている。

 6月末には株価は初めて300ドル台に乗せ、昨年8月の新規上場から株価は3倍超になった。時価総額は850億ドル(約9兆2000億円)と米国ヤフー(490億ドル)、イーベイ(450億ドル)をはるかにしのぎ、米メディア大手のタイムワーナー(790億ドル)をも上回った。ネット広告市場拡大の期待感による成長力が株価を押し上げている。(有賀勝久)
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