大遊泳時代

<大遊泳時代>第76回 NHK技研公開に学ぶこと

2005/07/11 16:18

週刊BCN 2005年07月11日vol.1096掲載

松下電器産業 役員 前川洋一郎

 5月、NHK放送技術研究所の公開を勉強した。毎年、この展示会が楽しみである。日本の放送がどうなる、そこから技術が落ちてくる家電、AV(音響・映像)、ITはどうなるか、ビジネスが見えてくるのである。

 今年は、榎並和雅・新所長の発想であろう「75のお約束」が入口にあった。新生NHKの1人ひとりの意欲に触れ、気持ち良かったが、同時にこれらのことが、いつの日か私たち1人ひとりの家庭に入ってくるといいなと思った。

 コンセプトは「人の可能性に学ぶ放送技術」となっていたが、これはそのまま我々家電メーカーにも当てはまることであり、研究段階からの放送、情報、通信、家電、デバイスの連携と、結果としての融合の大切さを再認識させられた。

 展示は、昨年、思い切り背伸びをされたのであろうか。今年はこれだけ進みました、これだけ実現しましたというプレゼンテーションが多く、それだけに技術がひしひしと我々現実社会に入り込んでくるようで、逆に恐ろしくなった。

 例えば、地上デジタル・1セグの携帯向け放送──CMのつくり方?コスト回収?通信キャリアの通話料収入が減らないのか?

 夜間調光のカメラ──これなら悪いことはできない…。

 2007年からのサーバー型放送──放送は1対Nだから、通信の1対1のような認証はできないのに、それを可能にするプラットフォームができるようになっている。

 1インチ垂直記録のHDD(ハードディスクドライブ)──ついにここまで来たか。

 折りたたみメッシュ型パラボラアンテナ──なるほど。

 PDP(プラズマディスプレイパネル)──小さいものができそうという一方、LCD(液晶ディスプレイ)はどんどんフィルム的になっていく。息の長いバトルだ。

 ねぇ、ワトソン君!「どのコーナーへ行っても説明員が真剣に説明してくれるので、逃げられなくて困るよ!」。「まぁ、猫に小判というから猫のマークでもつけていけばどうですか」。
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