“ライブドア騒動”から垣間見える 2011年 ネットをTVが流れる日
<“ライブドア騒動”から垣間見える 2011年 ネットをTVが流れる日>11.道が開けるBB放送
2005/07/18 16:04
週刊BCN 2005年07月18日vol.1097掲載
前号では、ブロードバンド(BB)回線を使ったテレビ放送を実現させるには「IP方式による同時再送信」が焦点になると述べた。
IPネットワークという現在において最も汎用的な通信手段を使えば、伝送路を低コストに整備できる。だが一方、コンテンツの改変や多重利用が簡単に行えるIP方式は、キー局側が著作権保護を“盾”に認めない姿勢を貫く(事業そのものが著作権法に抵触するわけではない)。
こうした膠着状態の中でも、ブロードバンド回線を使った地上波の同時再送信は始まっている。
スカイパーフェクトコミュニケーションズの子会社、オプティキャストが手がける「光パーフェクTV!」は、東京、大阪などでFTTH(光ファイバー通信)を使ったブロードバンド放送を提供している。コンテンツはCS放送「スカパー!」のみならず、地上波とBSアナログ/デジタルの同時再送信も行っている。
これが可能なのは、オプティキャストがFTTHをアクセス回線としながら通信手段として「QAM方式」を採用しているからだ。QAM方式とは要するにCATVと同じ方式。つまり、CATVが使う同軸ケーブルが光ファイバーに置き換わったのだ。
技術的な説明は省くが、QAM方式は1本の光ファイバーを専用に使う、もしくは波長多重技術により1本の光ファイバーでデータ通信と映像配信の芯を物理的に切り分け、コンテンツの改変や多重利用を防ぐ。そのため、著作権法でもブロードバンド放送ながらCATVと同等の信頼性が与えられている。
前号で紹介した島根県が提唱する「FTTHによる難視聴地域対策」やNHK放送技術研究所が研究している放送手段も同じQAM方式。IP方式にこだわらなければ、すでにブロードバンド放送は技術的に可能なのだ。
そして、一部の報道機関からは、「今秋から総務省が地上デジタル放送の同時再送信の実証実験。2009年にも解禁へ」という観測記事も出ている。
正式発表ではないため、総務省の実証実験がIP方式なのかQMS方式なのか、今のところ不明だが、可能性としてはIP方式の方が高いだろう。ともあれ、FTTHを使った地上波同時再送信の道は開きつつあると言える。(坂口正憲(ジャーナリスト))
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料)
ログイン
週刊BCNについて詳しく見る
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。
- 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!…etc…