IT Stock Frontline

ソフトバンク、松下が人気化 無線通信関連の動きが追い風

2005/07/25 16:04

週刊BCN 2005年07月25日vol.1098掲載

YOZANは2日連続のストップ高

 ソフトバンクが久しぶりに人気化。5月中旬に今年の安値3690円まで下げた後、7月初めには4400円台まで上昇している。7月に入ってからプラス材料が相次いで出ている。

 現在無償で実施している公衆無線LAN(構内情報通信網)の試験サービスを10月2日で終了し、有料サービスに切り替えると発表。また、「欧州4大サッカーリーグの携帯電話向け映像配信権を取得、8月から配信開始」、「携帯電話事業参入に向け、自社への電波の割当幅を増やすよう、総務省に申し入れ」といったニュースが伝えられ、通信事業拡大に向けた布石が着々と打たれている印象だ。

 総務省は7月末開催予定の電波管理審議会での議論を経て、ソフトバンクなどへの携帯電話用周波数割り当てを決定するとみられる。これを受けてソフトバンクは8月中に正式に申請を出す可能性が高い。

 無線通信関連の動きはソフトバンク以外にも出ている。ライブドアが公衆無線LAN事業についてYOZAN(ジャスダック上場)との提携を発表。YOZANは株価が2日連続してストップ高(値幅制限一杯の上昇)する急騰となった。YOZANは無線LANのアクセスポイントや保守サービスなどを提供する。また、ドリームテクノロジー(大証ヘラクレス)は平成電電と提携し、11月から公衆無線LAN事業への参入を予定。無線通信関連の人気が株式市場で広がりそうだ。

 大型ハイテク株では、松下電器産業が1700円台と3年ぶりの高値水準まで上昇。バブル崩壊後の業績悪化を受けて2003年に株価は860円まで下落、そこから2倍以上の上昇だ。中村夫社長の下での大胆なリストラ断行、プラズマテレビなど経営資源を集中させたデジタル家電の好調で業績は鋭角的に回復。株式市場での評価は一段と高まっている。(有賀勝久)
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