“ライブドア騒動”から垣間見える 2011年 ネットをTVが流れる日

<“ライブドア騒動”から垣間見える 2011年 ネットをTVが流れる日>18.ギャオのビジネスモデル

2005/09/12 16:04

週刊BCN 2005年09月12日vol.1104掲載

 前号では、USENの無料ブロードバンド放送「GyaO(ギャオ)」を取り上げ、その際、登録会員数は180万人と紹介したが、1週間もしないうちに200万人を超えた(9月4日時点)。会員増加のペースは速まっている。

 USENには取材を申し込んでいるところだが、まだ事業の計画、実績を詳細に話す段階ではないと判断しているらしく、今のところ応じてもらえていない。

 そこで、ギャオのビジネス的な可能性を推測してみたい。

 まず、USENが選んだ広告モデルの無料放送は、有料放送に比べて市場がはるかに大きいのは間違いない。リスクも大きいが、成功すればリターンも大きい。

 媒体別の広告市場で、テレビは2兆円超、広告市場全体の3分の1を占める。一方、有料放送(NHK除く)を見ている世帯は全体の2割しかないと言われる。金額では5000億円弱でテレビ広告の4分の1だ(電通調べ)。

 「有料放送で先行するWOWOWやスカパー!が伸び悩んでいるのを見れば、ネットの利便性があると言っても、新参のネットテレビが有料放送でビジネスを成り立たせられるとは思えない」(CS委託放送事業者)との見方が放送業界では強い。

 もちろん、2兆円超のテレビ広告市場に食い込むのも容易ではない。地上波キー局が無料放送として手がけるBSデジタルが軒並み経営難に陥っている。

 それでも、仮にUSENがギャオで目標とする1000万会員を獲得できれば、全国約5000万世帯の5分の1に達する。もしギャオの広告料金の単価が地上波の5分の1程度ならば、スポンサーにしてみれば、地上波と釣り合う広告媒体となる。

 地上波キー局のスポット広告(首都圏のみ)の相場は、延べ視聴率(CMが放送された時間帯にカウントされた視聴率の合計)が1000%で1億円という。

 「キー局と大手代理店の市場独占によって、割高になっているテレビCMに対しては、大手スポンサーも疑問を持っている。それに、今の料金ではテレビCMを打ちたくても打てない中堅スポンサーは多い。(ギャオのような)ネットテレビはキー局に対するカウンターとして育ってほしい」(中堅広告代理店関係者)と期待する声もある。(坂口正憲(ジャーナリスト))
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