IT Stock Frontline

ショック安からの修復が進む 楽天、オプトなどは株価回復

2006/02/06 16:04

週刊BCN 2006年02月06日vol.1124掲載

ITなら何でも買いの投資姿勢には反省も

 “ライブドア・ショック”で痛手を負った株式市場だが、修復の動きが本格化してきた。

 ショックの直撃を受けて、東証マザーズなどIT関連の株価下落が厳しかった。 例えば、同じ六本木ヒルズに本社を置き、買収戦略で企業規模を拡大していた楽天。ショック直前の高値11万円台から8万円台まで急落していたが、狼狽売り一巡で10万円を回復。また、ネット広告代理店のオプトは鉢嶺登社長が「07年12月期までに売上高2.3倍、経常利益で4.1倍を目指す」と報道され、成長力を改めて評価する形で急落分のかなりの部分を取り戻した。

 今回のライブドア事件は「IT関連ならなんでも買い」という投資家の姿勢に反省を求めた。そうしたなか、好調な決算を発表して成長力を示したのがヤフー。05年10-12月期の営業利益は211億円(前年同期比27%増)に拡大。ネット広告収入が70%超え伸びた。ライブドアがIT関連といわれながら収益のかなりの部分を証券会社(ネット証券ではなく旧来型の証券会社)などリアルのビジネスで占めていたのに対して、ヤフーはネット関連に特化して成長を追求しているのが対照的だ。

 一方、東京証券取引所は相次ぐシステムトラブルの再発防止策として「IT企画室」を新設。最高情報責任者にNTTデータフォース社長の鈴木義伯氏を招くことを決めた。

 売買に制約のある市場に海外の運用資金は流入してこない。株式売買の重要なインフラの整備が遅ればせながら本格化することは歓迎されよう。もっとも、目先的には売買注文の処理能力をにらみながらの取引が続く。ライブドアは1月25日に7営業ぶりに売買が成立した。売買注文の急増を懸念して、ライブドアについては1月26日以降、短縮取引となっている。(有賀勝久)
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