明のキヤノン、暗のNTTドコモ

海外投資家の買いが上昇支える



 株式市場は新たな上昇局面に入ってきた。日経平均は2月始めにつけた高値を更新している。景気回復期待、企業収益拡大を背景に、海外投資家の買いが流入していることが株価上昇を支えている。

 そうしたなかで、ホンダ、キヤノンといった収益に安定性がある代表的な企業の株価が上場来の高値を更新した。キヤノンは業績が予想以上に好調なことが注目される。2006年1-3月期の純利益は1030億円(前年同期比11%増)と従来予想の980億円を上回る見通し。デジタルカメラは価格競争が激化しているものの、部品の内製化などコスト低減により競争力を高めて2ケタの増収を維持。カラー複写機の好調や円安も収益を押し上げる要因だ。

 また、松下電器産業が今年1月の高値を回復。デジタル家電分野での勝ち組との評価が定着している同社だが、安定した業績に着目した海外投資家の買いも流入している。

 半導体分野では、シリコンウエハー大手のSUMCOが決算発表を行い、07年1月期は売上高が13%増、経常利益は28%増になるとした。300ミリウエハーは需要に供給が追いつかない状態。増産に踏み切り、月産38万枚を1年後に50万枚に引き上げる予定という。

 逆に業績悪化企業の株価は下落。ナナオは06年3月期の経常利益が114億円と、従来予想の135億円を下回ると発表。コンピュータ用のモニタは順調なものの、パチンコ機メーカー向けモニタの納入が07年3月期にずれ込むため。薄型テレビの販売促進費の増加も利益を圧迫した。

 NTTドコモの株価も冴えない。ソフトバンクによるボーダフォン日本法人買収が明らかになって以降、先行きの業績に対する不透明感から株価は下値を探る展開になっている。(有賀勝久)