IT Stock Frontline

6.8%増と好調な半導体世界売上高

2006/04/24 16:04

週刊BCN 2006年04月24日vol.1135掲載

国内ハイテクの株価押し上げに寄与

4月下旬に集中する決算に注目



 株式市場は上昇が続き、日経平均は1万7500円台と5年9か月ぶりの高値水準に上昇している。4月の新年度入りで年金など新規の運用資金が株式市場に流入してくるとの期待があるほか、外国人投資家の買いが衰えないのが要因。外国人が買っているのは日本を代表す企業。トヨタ、ホンダ、キヤノン、みずほ、三菱UFJなどが上場来の高値を更新。松下電器産業、ファナック、三菱電機などが上場来の高値に接近している。

 こうした時価総額の大きな企業の株価上昇と新規上場企業の増加で、時価総額をベースにした株価指数であるTOPIX(東証株価指数)は1992年以来、実に14年ぶりの高値水準に上昇している。

 今後株価の動きが注目されるのはハイテク株。米国半導体工業会が発表した3月の半導体世界売上高は6.8%増と好調。パソコン向けにMPUやDRAMの回復が顕著だった。また、携帯電話市場も中国とインドでの低価格機種の販売が増えており、半導体需要をけん引している。

 そうした好材料に加え、発表がピークを迎えている米国ハイテク企業の1-3月期決算が好調なことも日本のハイテク企業の株価を後押ししている。

 日本企業も4月後半から06年3月期の決算発表が始まる。ポイントは07年3月期の予想。5期連続の増益が予想されるとはいえ、ここまでの株価上昇で「すでに2ケタ近い増益は織り込んだ」との見方もある。原油や為替動向の不透明感から07年3月期について慎重な予想を出す企業が相次ぐようだと、失望ムードに株価が下落することも考えられる。どんな数字が出てくるか注目される。

 なお、主要ハイテク企業の決算発表は、4月25日にエルピーダメモリ、26日にNEC、リコー、27日に日立製作所、三菱電機、富士通、TDK、パイオニア、28日に東芝、松下、村田製作所など、4月下旬に集中している。(有賀勝久)
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