IT Stock Frontline

携帯電話、大競争時代に突入

2006/06/05 16:04

週刊BCN 2006年06月05日vol.1140掲載

優劣のカギ握る「新たなサービス」

 米国株の下落や円高進行などを背景に軟調な展開が続く株式市場だが、そのなかで話題を提供しているのが携帯電話関連株だ。

 ソフトバンクは英ボーダフォンと合弁会社を設立することを決めた。携帯電話端末の共同開発を行うほか、コンテンツの共同調達・配信などで優位に立つことが目的。ボーダフォンの社名を10月からソフトバンクモバイルに変更、ブランド名も「ボーダフォン」から「ソフトバンク」に改める。一方、KDDIは米インターネット検索大手のグーグルと携帯電話のネット検索事業で提携すると発表した。

 こうした新たな動きを受けて、今後はドコモを先頭に、「au」、新ブランド「ソフトバンク」のシェア争いが熾烈になることが予想される。優劣のカギを握るのは新たなサービスだ。特に(1)FMCサービス(2)新たなインターネットサービスの提供(3)魅力的な端末の供給ーが注目される。

 (1)ではドコモとNTT、KDDIとau、ソフトバンクと日本テレコムという組み合わせのなかで、携帯電話と固定電話の料金をまとめたり、端末の共通化などが考えられる。(2)ではKDDIとグーグルの提携に対抗してソフトバンクグループの中でのヤフーの存在がカギになる。また(3)では、ソフトバンクはiPod内蔵型携帯電話の開発を推進し、KDDIはソニーと音楽再生機能を持つ携帯電話を「ウォークマン」ブランドとして投入する計画だ。

 携帯電話でもパソコン並みの情報アクセスが可能となっていくため、モバイルコンテンツ市場の成長にも関心が集まりそうだ。例えば、モバイル・アフィリエイト(成果報酬型)広告では、ソフトバンク系のバリューコマース(非上場)とファンコミュ(ジャスダック)、「モバオク」を運営するDeNA(東証マザーズ)の3社が市場を分け合っており、ビジネスチャンスの拡大が期待される。(有賀勝久)
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