個人情報を探すソフト

 KLabセキュリティ(利根川治社長)は、親会社のKLab(真田哲弥社長)のセキュリティ事業部門が分社化して、昨年9月に設立。KLabが携帯電話へのコンテンツ配信システムなどを手がけるなかで、セキュリティの重要性を感じてセキュリティ事業を立ち上げ、分社化に至った。

 開発・販売する製品は、VPN(仮想私設通信網)構築製品の「VPN Warp」と、個人情報を探し出すソフト「P-Pointer(ピーポインター)」の2種類。なかでも、主力はピーポインターで、2004年11月の初期バージョンを発売して以来、順調に顧客企業を増やしている。USENや横河レンタ・リースなどの大手企業を中心に、140社以上に導入した。

 ピーポインターは、企業のサーバーやPCにある個人情報をほぼ自動的に探し出す。今夏投入予定の新バージョンでは、個人情報だけでなく、設定したキーワードの入った文書を探し出すことも可能になる。情報漏えいを防ぐためには、まず「企業内に個人情報がどの程度あるかを把握することが先決」(井上陽子・マーケティング部部長)というコンセプトから生まれた。個人情報の保護に敏感な日本企業独特のニーズを見越したわけだ。個人情報を見つけ出すための独自エンジンの精度が武器で、04年11月の初期バージョンのリリースから約1年半の間に12回もの改良を行い、品質レベルを上げてきた。

 同製品の導入効果は、本来の機能である個人情報を探すだけではない。「ピーポインターがシステム上で個人情報を探し回っているということが、社員に緊張感を与える。セキュリティに対する意識を変え、自然と企業のセキュリティレベルが上がるケースが多い」(井上部長)。探すだけでは漏えいを防ぐことはできないが、副次的な効果が情報漏えいに役立つという。

 約10社の販売代理店を通じての間接販売が中心。なかには、同社のツールを活用したセキュリティサービスを提供する企業も出ている。NECフィールディングや富士通サポート&サービス(Fsas)はその代表例で、両社はユーザー企業に個人情報探索サービスをピーポインターを活用して提供している。KLabセキュリティでは、単純なソフトの販売だけでなく、ピーポインターを使ったサービスを提供できるITベンダーを増やしたい考えで、セキュリティコンサルティング会社との連携を図っていきたい考え。

 日本特有のニーズを満たすコンセプトで、ユーザー企業と代理店の支持を集めてきた。その好調な販売状況から、「徐々に競合といえる製品も出始めてきた」という。類似製品が出てきた時に、いかにピーポインターの優位性を示せるか。強い需要がある分野だけに、競合も増えてくる。これからが正念場といえそうだ。(木村剛士)