10年度までに経常利益率2ケタへ

不採算案件の経験生かし開発体制強化

 来年11月で設立40周年を迎えるSRA(鹿島亨社長)は、独立系のソフト開発およびSI事業で国内有数のITベンダーだ。鹿島社長は2003年4月、トップに就任した。昨年度(06年3月期)の連結ベースでの経常利益率は、就任した年度(04年3月期)の約2倍にあたる5.2%まで高めた。今年度は、中期経営計画の「第1フェーズ」の2年目で、経常利益率5.9%を見込む。そして、中期経営計画の「第2フェーズ」に位置づける08年度、09年度には経常利益率2ケタの確保という目標を掲げた。

 「営業利益、経常利益を高めるための戦略は、極めてシンプル。原価率を下げて、付加価値を追求し、売り上げを伸ばすこと」。鹿島社長は淡々と語る。

 就任直後からいくつかの施策に取り組み、計画通りに利益率はアップしてきたが、昨年度つまずくことに。上期に5つの不採算案件を発生させてしまい、7億7000万円もの利益減を強いられた。

 そのため昨年度、多大な労力を注いだのが、開発効率の向上とプロジェクト管理だった。単純に原価率を下げるためだけでなく、不採算案件を撲滅する体制をつくる狙いがあったからだ。5つの大規模な不採算案件が半年間で発覚したのは、SRAでは例がなく、撲滅対策は早急に手を打たなければいけない取り組みだった。

 「品質管理本部」というプロジェクトをチェックする専門部署を設置し、毎週、同部署が案件の進捗を調べる体制を確立したほか、自社開発のリスク管理システム「RATS」をバージョンアップして導入。さらに、「おかしいと開発責任者が感じたら、すぐに報告できるような雰囲気づくりにも取り組んだ」という。その成果が出て、昨年度下期以降は不採算プロジェクトが「1つも発生していない」体制をつくり上げることができた。

 不採算案件で苦しんだことは、開発体制の強化という点だけでなく、他のメリットも生んだ。それは、販管費比率の低下だ。鹿島社長は、就任直後から「会社の“筋肉質化”」を掲げ、無駄なコストを落としていくよう計画を立てていた。

 不採算案件が発生したことで、利益率の低下を最小限に抑えるために、コスト削減施策を前倒しで進めることになったのだ。04年度13.1%だった販管費比率は、昨年度12.0%に低下。今年度は11.8%を見込んでおり、当初の計画よりも1-2年前倒しとなっている。

 鹿島社長は、中期経営計画「第1フェーズ」の2年目にあたる今年度の注力施策を2点掲げた。「足元を固める」ことと、「第2フェーズ」に向けた「布石を打つ」ことで、「足元はほぼ確立しつつある」。今年度からSRAは、売り上げの大幅拡大、経常利益率のアップに向けた成長戦略に本腰を入れて取り組み始めることになる。(つづく)(木村剛士●取材/文)