SI新次元 経常利益率10%への道

<SI新次元 経常利益率10%への道>21.ジャステック(上)

2006/10/23 20:37

週刊BCN 2006年10月23日vol.1159掲載

創業以来、利益率10%下回らず

受託ソフト会社の“鑑”に

 国内では、ソフトウェアの受託開発に特化するジャステック。旧・日本ビジネスオートメーション(現・東芝情報システム)からスピンアウトした神山茂社長が1971年7月に創業して以来、同社の経常利益率は10%以上を堅持している。業績に“歪み”が生じたのは「バブル崩壊」の影響を受けた1992-94年度、03-04年度に減収減益を計上しただけ。とはいえ、この間の経常利益率は、最も低下した93年度(94年11月期)でさえ、13.3%をキープしている。創業から高利益率を継続して保ち続ける、国内受託ソフト会社の“鑑”といえる存在だ。

 同社の「経営理念」のひとつに、「マンパワーリースを排除したソフト開発」に専念することがうたわれている。「派遣ビジネスを志向せず、一括元請けに徹する」(柴山泰生・常務取締役兼常務執行役員総務経理部長)と、リスクは比較的小さく利益率が低い常駐型派遣や、「人月単価」で稼ぐ経営手法を“否”としている。

 100%受託ソフト開発を専業とする同社の大英断は、高利益率を確保できる半面、一歩間違えば赤字に転落するリスクを伴う。柴山常務取締役は「受託ソフトの妥当な価格や価値を正々堂々と論議できるユーザー企業と取引する。そうでない企業との間では相互にメリットがない」と断言する。

 仮に、受注を狙う企業に対して同社は5億円の「見積書」を提示し、他のベンダーが3億円で対抗したとしよう。その際、同社は「何とか工夫して」2割程度の減額にこぎ着ける。それでも、企業側に「3億円で発注したい」と、切り返されれば「静かに辞退する」(柴山常務取締役)。

 03年10月、同社は国内ソフト会社として全社レベルで初めて、国際標準の開発プロセス成熟モデル「CMMI」の「レベル5」を達成した。ここから、さかのぼること7年前(96年10月)には、品質マネジメントシステムの国際規準「ISO9001」、05年1月に「ISO14001」を取得。「技術者集団」として確固たる地位を築いている。

 企業から案件を見積もる際などに利用する「ACTUM(アクタム)」(商標登録申請中)と呼ぶ、独自のソフト生産管理システムを有する。「毎年、洗練しながら全社標準として利用」(柴山常務取締役)。この標準値を基に、「標準開発計画書」を作成し「見積書」を出す。採算に見合う工程管理を志向することで「不採算案件」をほとんど出さずにここまできた。

 同社のSEは、開発現場で「標準開発計画書」を横目に、各自アウトプットの進捗度を毎日「日計システム」で報告。生産性の高低を常に判断し、生産効率を上げる努力をしている。

 「日本の製造業では、当然実施している生産管理。それをソフト開発に応用できないはずがない」(柴山常務取締役)と、地道で粘り強い取り組みを継続し、「ハイリスク・ハイリターン」体制を築いてきた。(つづく)

  • 1