IT Stock Frontline

情報サービス各社の業績好調

2006/11/13 16:04

週刊BCN 2006年11月13日vol.1162掲載

IT投資の活発化でSIer潤う

 発表たけなわの2006年9月中間決算。業績に明暗が現れている電機や精密に対して、情報サービスセクターの業績はおしなべて好調だ。 

 業績を上方修正して株価が急騰したのは住商情報システム。9月中間期の経常利益は従来予想の4億円に対して27億円(前年同期比24%増)に拡大した。不採算案件の減少やプロジェクト管理の徹底など企業努力も大きいが、事業環境が好転していることが改めて確認された。

 企業のIT投資活発化の背景としては、(1)業績の好転で投資意欲が回復(2)動画利用やICカード決済などIT利用に広がりが出てきた(3)日本版SOX法(企業改革法)の施行を控えて、企業にシステムの再構築ニーズが高まっている──などがあげられる。

 野村総合研究所の9月中間決算は経常利益が224億円強(前年同期比29%増)に。金融サービス業向けの受注好調が収益をけん引しており、通期の経常利益は先に上方修正した425億円をさらに上回り445億円(前期比16%増)に達する見通し。

 10月にCTCとCRCソリューションズが合併して誕生した伊藤忠テクノソリューションズは合併前の決算を発表。CTCの中間決算は金融・通信業界向けのシステム開発が順調で、売上高は10%増、経常利益は106億円強(前年同期比50%増)になった。

 こうした業績の上方修正ラッシュに取り残されたのが富士ソフト。制御系ソフト開発は順調ながら、業務系ソフト開発、アウトソーシング事業の受注が減少。また、グループの東証コンピュータシステムが、収益性の低下した証券システム関連機器について減損損失を計上。07年3月期の経常利益は従来予想の125億円から90億円(前期は120億円)、同じく純利益は62億円から7億円(同49億円)に落ち込む見通しになった。(有賀勝久)
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