未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>102.イー・ポスト

2006/11/20 20:44

週刊BCN 2006年11月20日vol.1163掲載

国産メールサーバーを開発

 イー・ポスト(今西和也社長)は、Windows向けのメールサーバーソフトを自社開発するソフトベンチャーだ。インターネットが流行し始めた1996年、前身の会社でISP事業を始めた。それがメールサーバーをつくるきっかけになった。「ネットサービスを手がけるにはメールが不可欠」と、Windows上に、フリーのメールソフトを使いメールサーバーを立ち上げた。だが「勝手に迷惑メールを送信される不正中継の“踏み台”にされたことから、自分たちでメールサーバーソフトを開発し始めた」(川上勝行取締役)経緯がある。

 99年の夏から開発に着手。フリーソフトを拡張、不正中継防止機能を付加するソフトをつくり、自社利用だけでなく、ユーザーにも配布し始めた。「ユーザーからの高機能化の要望が増えた」ため、徐々にサーバーソフト開発に事業を集中し、00年にイー・ポストを設立した。

 03年、今まで販売していたシェアウェア版をパッケージ版にして発売した「SPA─PRO Mail Server 2003」は、ユーザー制限を設けず1万2800円と安価な価格設定が評価され「月に100本前後売れた」という。現在は「SPA─PRO Mail Server」から名称変更し、ユーザーライセンスによる価格体系にした「E─Post Mail Server」を筆頭に、送信専用サーバーの「E─Post SMTP Server」、ウェブメールソフト「E─Post Mobile Mailer」の3製品をラインアップ。「E─Post Mail Server」と「E─Post SMTP Server」は、10万-30万通のメールを高速送信できる能力を備える。インストールが簡単でスキルがない会社も導入しやすいというのが売りだ。

 セキュリティニーズを取り込むため、セキュリティソフトメーカーのカスペルスキー・ラブズのウイルス対策エンジンを搭載した「エンタープライズ版」も用意した。またシステム構成別ではシングルサーバーとクラスタモデルの2モデルがあり、クラスタモデルでは突然のシステム停止に対応する冗長構成を組むことができる。 

 「E─Post Mobile Mailer」はメールをサーバー側に保存し、情報漏えいの心配がなく、アンチウイルスエンジンも標準搭載している。携帯から閲覧することもできる。

 メールサーバーは発売から現在までで3000サーバーほどの導入実績がある。最近では「内部統制絡みで、ストレージと合わせたソリューションを構築してほしいと要請される」(木下誠之・マーケティングディレクター)ことから他社とアライアンスも積極的に進めている。“純国産”も大きな強みで、海外と比べ迅速なサポート体制を実現できる。「国産だから導入する企業もあるほど」と胸を張る。数少ない純国産メールサーバーメーカーとして存在感を示そうとしている。(鍋島蓉子)
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