脱デフレ銘柄に人気集まる

 株式市場は企業収益拡大に対する期待などを背景に上昇が続いている。デフレ脱却、業界再編による企業の競争力の高まりが銘柄選別の切り口となるため、これまでの上昇過程で人気を集めたのは、鉄鋼、造船、不動産といった内需セクター。もう一段の株価上昇には、これまで動きがなかったハイテク株の上昇が必要とみられる。

 その突破口役として期待されるのがソニーである。株価は昨年末の5200円台から上昇が続き、2月下旬には6400円台と4年半ぶりの高値をつけた。

 2006年4-12月期決算では大型テレビ「BRAVIA」が好調でエレクトロニクス部門の回復、携帯電話におけるソニーエリクソンの収益拡大が確認されたが、このほどゲーム戦略の転換を発表した。「PS」(プレイステーション)用半導体の次世代型は自社での量産を見送り、他社へ委託生産するというもの。巨額な投資が収益の足を引っ張っていただけに、重要部品を自社で生産するという「内製主義」からの転換が好感されている。

 ソニーにはもう一つの期待がある。この先、株式市場に流入してくるとみられる新たな資金の受け皿としての役目だ。団塊世代の退職金などこれまで株式に縁のなかった資金は企業の成長性よりも、知名度、安定性、配当利回りの高さなどを選択の基準にすると想定される。ネームバリュー、安定性という魅力があるソニーは、投資家の層が広がるなかで人気を集める可能性がある。

 NTTドコモは、2月中旬に昨年来の高値を更新した。ナンバーポータビリティ制度開始に伴う競争激化に対する懸念が後退したのが株価上昇の要因だが、こちらも知名度の高さ、配当利回りの高さ(ドコモは1.8%と全上場銘柄平均の1.1%を上回る)に着目した資金が向かったようだ。(有賀勝久)