IT Stock Frontline

新興市場も回復へ

2007/03/12 16:04

週刊BCN 2007年03月12日vol.1178掲載

楽天、ヤフーの動きに注目

 中国株の急落に端を発した世界的な株価波乱に巻き込まれた東京市場。昨年末からの上昇が急ピッチだったため、当然の調整と受け止めるムードが強い。企業収益の拡大期待は根強く、再び上昇トレンドに乗りそうだ。

 これまでの人気の中心は外国人投資家が買う鉄鋼、造船、不動産といった大型株。東証1部の売買金額に占める外国人の比率は60%に達している。これに対して個人投資家の売買比率が50%以上と高いジャスダックなど新興市場は動きが鈍い。それでも企業価値に対する割安感から株価が上昇する企業が新興市場でも増えている。

 ジャスダック市場で最大の時価総額を誇る楽天も昨年11月の4万円台から今年2月末には6万円台まで上昇している。2006年12月期決算は経常利益が304億円(前期比15%減)と創業来初の減益となったが、信販子会社が多額の貸倒引当金を計上するという特殊要因によるもの。電子商取引事業は仮装商店街「楽天市場」の拡大もあって売上高は69%増と好調。07年12月期の収益拡大に対する期待が膨らんでいる。また、楽天はTBS株を約19%保有。含み益は約300億円に膨らんでいる。TBS株の議決権凍結を先に解消するなど、提携の動きが新たな段階を迎えていることが関心を呼んでいる。

 東証1部に上場しているヤフーが2月28日、ジャスダック市場にも上場した。東証では特定大株主の保有割合が75%を超えると上場廃止になるというルールがある。ヤフーはこれに抵触する可能性が高く、重複上場に踏み切ったもの。中小型株に投資する投資信託の新たな買いが期待できる一方で、東証上場廃止となった場合、TOPIX(東証株価指数)連動型ファンドの売りが膨らむ懸念があり、ジャスダック上場は株価には中立要因とみられる。(有賀勝久)
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