自前主義、業績に結びつかず

アライアンスで巻き返しへ

 エクサは自前でコツコツと技術を蓄積する堅実な企業文化を持つ。だが、こうした企業姿勢が必ずしも業績に結びついていない課題も残る。直近では売り上げ、利益ともに減少している。大水一彌社長は技術を大切にする文化を尊重しつつ、日本オラクルや日本IBMなどの有力ベンダーとのアライアンスを強化する方針を打ち出す。加えて不採算案件の撲滅、オフショア開発による開発コストの低減を推進することで、業績の回復を進める。

 「エクサはおとなしすぎる」──。昨年3月、大水氏が日本IBMからエクサ社長に就いた時の第一印象だ。たとえば顧客に新しい情報システムを提案するにも、身につけた技術の範囲で提案する傾向がある。兄弟会社のJFEシステムズが他社とのアライアンスを積極的に進めているのに対して、“自前主義”を重視する側面が強い。

 自前主義は独自の技術開発を進めやすいなど優れた点が多いものの、一方で経営のスピードアップを図るにはアライアンスが不可欠である。まずは、日本オラクルとの全面的な協業を推進。基幹業務システムからセキュリティ製品に至るまで幅広くオラクル製品を扱う。カバーしきれないところは他のISVの製品も必要に応じて採用する。

 日本IBMとのアライアンスではアウトソーシングサービスの面での協業強化を検討する。24時間休むことなくシステムを運用しなければならないアウトソーシングはシステム構築を主力とするエクサでは荷が重い。日本IBMが持つサービス基盤を活用することで本業に経営リソースを集中する。

 また開発コストの削減にも力を入れる。インドのソフト開発会社の日本法人エイチシーエル・ジャパン(HCLジャパン)との協業を通じてオフショア開発を推進。2005年頃から本格的に立ち上げ、昨年度は開発人員の延べ数で年間約800人分をHCLなどオフショア開発会社に発注した。今年度はさらに倍増させる予定だ。

 こうした取り組みにより、数年後には売上高で昨年度比1.5倍近い500億円、営業利益率10%に伸ばすことをイメージする。昨年度(06年12月期)は不採算案件が足を引っ張るなどして、経常利益率が約2%まで減少したことを考えると高い目標設定である。

 エクサの顧客ベースは約500社。JFEグループ以外の一般顧客向けの売上高の比率は全体の約7割を占めるなど外販比率が高い。優良顧客を多く抱える同社だが、競合他社の攻勢が激しさを増していることから経営のスピードアップなしに目標を達成することは難しい。

 自社の持てる技術を大切にする企業文化を継承しながらも、他ベンダーとのアライアンスや海外オフショアを強化することで事業拡大に全力をあげる。(安藤章司●取材/文)