各部署と連携しビジネス強化

 SRA(鹿島亨社長)では、技術という視点で新しいビジネスを推進するために、ニュービジネス戦略本部を設置した。同本部ではOSS(オープンソースソフトウェア)ビジネスの強化やSOA基盤を用いたシステム開発の展開をねらっている。
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 SRAは40年の歴史を持つ独立系SIerだ。「『オープンソース』という名前がないころからOSSを使い始めた」と言うのは石曽根信・執行役員ニュービジネス戦略本部長 CTO。UNIXを商用としてビジネスで利用したのも同社が初めてのことだ。

 「使うだけでなく作る」文化もあった。仕事として、また個人の趣味として OSSを利用したり、開発したものをOSSとして発表したりしていた。「そうしていくうちにOSSが世間的にも認知された」と振り返る。

 ただ、「OSSをビジネスとして成功させた会社はいくつかあるが、SRAはなかなかお金に結びつけることができなかった」とも付け加える。

 こうしたなか、仕事で使っていた無償のデータベースエンジン「PostgreSQL」のノウハウが蓄積された頃合いをみて、日本語化、機能を付加するなどして自社ブランド「PowerGres」を製品化した。

 OSSはサポートがないのが欠点のひとつでもあるが、この製品にはサポートがついている。「PowerGres」は徐々に一般にも知られるようになって、好調な売れ行きを示した。本格的に製品開発をするため、2005年には専門会社の「SRAOSS」を設立した。

 ただ、SRAOSSだけがOSSの事業を展開するわけではない。石曽根氏によれば、SRA本体の各事業部もSIを展開する際にOSSを使っているとのことだ。今年はさらに各事業部でのOSSビジネスを強化していこうと考えている。

 また、ニュービジネス戦略本部本部が持っている製品であるSOA開発基盤「ASIMA」を各事業部に横展開し、システム開発などにつなげたい考え。

 同本部では各事業部と連携しながら「次に取り組むべき技術」を探し、技術戦略を立てる役目を担っている。その一環として、社内の技術情報やノウハウが社内でうまく共有されていない状況を改善すべく、ウェブサイトを開設し「各事業部などが持つ技術情報、ノウハウなどを集めて全社で共有する」仕組みを立ち上げる。社内にはいくつかの共有サイトが存在しているが、全社的に技術情報を共有していくのは初の試みだ。(鍋島蓉子●取材/文)