SI事業を“攻め”に転換

 SRA(鹿島亨社長)のニュービジネス戦略本部は、強みである「技術先進性」を生かし、顧客ニーズに合致した戦略を立て、先進技術のビジネスモデル化を目指す。またプロジェクトの品質、生産性のさらなる向上もミッションとしている。
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 このところ、オープンソースソフトウェア(OSS)は、安定性と信頼性の高さで注目が集まっている。技術力で定評のあるSRA。同社のグループ会社もOSSの技術力と先進性で高い評価を得ている。

 昨年、SRAの子会社であるSRA東北と山形県がIPA(情報処理推進機構)の公募事業「自治体におけるOSS活用に向けての導入実証」に応募し、提案が採択された。採択されたのは、ニュービジネス戦略本部が開発したOSSベースのSOA(サービス指向アーキテクチャ)開発基盤「ASIMA」を用い、文書管理システムを構築する実証実験だ。

 一般的に文書管理のパッケージソフトは機能に比べて高額であることが多いため、費用対効果が疑問視されている。同社はすべてOSSで構築することで、安価で拡張性の高いシステム構築を実現した。現在構築した文書管理システムはGPL(GNU一般公的使用許諾)ライセンスに基づき公開している。

 山形県庁などで自治体による新技術の積極導入が進む一方、SOAについても「最近は状況が変わりつつある」(石曽根信・執行役員 ニュービジネス戦略本部長CTO)という。

 「今までは製品メーカーがSOA製品を出しているものの、なかなか企業に浸透していなかった」が、その状況が一転、「企業から大規模案件がくるようになった」のだ。今年はSOAについてもブレイクスルーする可能性が非常に高い。「このタイミングを大いに生かし、ビジネスの拡大を目指す」。

 “技術のSRA”という評価を保ち、さらに技術力を高めるために、先進技術を追求し、技術情報やノウハウを全社的に共有することが必要になってきた。

 SRAでは、各事業部の持つ技術情報、事例、ノウハウなどを集めた社内向けのウェブサイトを開設した。まずはSRA社内からはじめ、最終的には国内外で17社あるグループ全社の技術者サイトへと拡大していく計画だ。

 顧客の要望に適切に応えながら、SRAグループにしかできないソリューションを提供する。技術力をベースに、受け身になりがちなSIビジネスを「攻め」に転換する戦略が、本格的に動き出した。(鍋島蓉子●取材/文)