好調な液晶テレビがけん引

 ソニーの株価が急騰、2002年6月以来、5年ぶりに7000円台に乗せた。市場は業績急回復を好感している。07年3月期の連結営業利益は718億円で前期比68%減と落ち込んだが、08年3月期は前期比約6倍の4400億円とV字型に回復する見通し。売上高営業利益率は5.1%と中期経営計画で掲げた目標の5%をクリアして収益力回復が鮮明になる。

 収益をけん引するのはエレクトロニクス部門だ。北米中心に液晶テレビの販売が好調。液晶パネルの生産で韓国サムスン電子と提携するなど、部品が円滑に調達できたことも利益率回復につながっている。

 液晶テレビの価格は前期25-30%下落、今期も20-25%の下落を想定するが、販売台数は1000万台(前期630万台)を計画している。また、今年11月には、次世代ディスプレイの有機ELを搭載した薄型テレビの発売を今年11月に予定しており、年末商戦で関心が集まりそうだ。

 一方、ゲーム部門は開発費用が膨らんだことで前期に2300億円強の営業赤字となった。今期は「残念ながら赤字が残る」(大根田伸行EVP兼CEO)ものの収益は大きく改善する見通し。「PS3」の販売台数は1100万台(前期630万台)を計画している。任天堂に大きく差をつけられているとはいえ、ゲーム部門が復調してきたことによって、「PS3」関連のソフトメーカーであるテクモ、カプコン、コーエー、コナミ、スクウェア・エニックスといった企業の株価が上昇傾向をみせている。

 ある外資系証券では、「ゲーム王国の復活 ゲーム業界は新しい成長ステージへ」と題するリポートを発行、任天堂の「Wii」と「DS」快進撃によるゲーム機ユーザー層の拡大効果、「PS3」の復権で、ソフトメーカーの事業環境は明るさを増していると指摘している。(有賀勝久)