次世代Key Projectの曙光

<次世代Key Projectの曙光>33.アッカ・ネットワークス(上)

2007/11/26 20:40

週刊BCN 2007年11月26日vol.1213掲載

WiMAXが新たな柱に

 ADSLサービスなどを提供しているアッカ・ネットワークス(木村正治社長)は、2004年から05年にかけて、次世代通信規格「WiMAX」の事業化に向けて検討に入った。法人向けソリューションでは有線は自社提供、無線はウィルコムのPHS網を使っていたが、通信部分を自ら持っていたほうが、さまざまなメリットを享受できるからだ。

 「DSLは先が見えていた。株式を上場したからには、成長あるのみ。新たな柱を立ち上げる必要があった」。同社は光、ADSL回線を法人、個人に向けて提供しているが、法人向けの無線に関してはウィルコムのPHS網を活用していた。「通信部分を自ら持っていたほうが売上高も伸ばせるし、有線と無線を総合的に提供できるというメリットがある」ことから、04年から05年にかけて次世代通信規格「WiMAX」の事業化を検討し始めた。

 当初は有線の知識を持っている高津智仁・WiMAX推進室副室長と無線が分かる技術者の2人で取り組み始めた。

 06年4月には当時の坂田好男社長直轄で「WiMAX推進室」を立ち上げた。推進室のメンバーは、ソリューション開発の人材のほか、マーケティングやIPのわかる人材、アッカの協力会社からも引き入れた。

 事業計画についてはコンサルティング会社にアドバイスを仰ぎながら立案した。

 その2か月後の06年6月、「無線が扱えるということをアピールする」ため、神奈川県横須賀市で実証実験を始めた。3G事業者では、KDDIが実験をすでに開始していた。「データ通信を確認するため、もう少し都市部での実験をしたかったが、すでにいくつかの通信事業者が実証実験を行っていたし、場所代も高くて断念した」。

 そこで横須賀市では総務省の外郭団体「NICT(情報通信研究機構)」ととも実証実験を行うことになった。

 実証実験に向けて、05年12月からは、機器を調達するためにグローバルでハードベンダーを探した。日本国内ではまだ提供しているベンダーがいなかったからだ。交渉するものの、「足元をみられた。『アッカって、なに?』」。国内法人で交渉が進んでも、本国で反対をされてしまう。結局、数社が手をあげ、そのなかにアルカテル(現アルカテル・ルーセント)があった。「先方からも、ぜひお願いしたいということで、win─winの関係を結ぶことができた」。
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