WiMAX、1500億円見込む

 アッカ・ネットワークス(木村正治社長)は、WiMAXを事業化すべく2006年4月にWiMAX推進室を立ち上げた。実証実験のための機器を探した結果、アルカテルをパートナーにすることが決まり、同年6月に情報通信研究機構(NICT)と神奈川県横須賀市で共同実施が決まった。順調に進展すると思われたが・・・。

 共同で実証実験を行うはずだったNICTに思わぬ横槍が入り、「単独でやってほしい」と連絡が入った。「当時は金曜日ごとに悪いことが立て続けに起こった」(高津智仁・WiMAX推進室副室長)と振り返る。

 実証実験では「電波が出た、と思ったら止まったり。つながらなかったり」。05年12月に業界団体のWiMAXフォーラムで相互接続性の仕様が決定したばかりで、仕様の検討と機器の開発は並行して行われていたためだ。

 06年12月までは横須賀市で実証実験を行い、12月からは、横浜市で実証実験を開始した。そして今年3月からは都市部から離れ、新潟でWiMAX活用について実証実験を行い、都市部、郊外でも無線を扱えることを確認した。

 今年2月にはイベント「NET&COM」でブースを設け、機器を持ち込んで稼働させた。このイベントでは奥まった場所にあったにもかかわらず、多くの来場者が訪れ、「競合他社も身分を隠して視察にきた」ほど注目度は高かった。自信がついた段階で、今年6月に免許を申請するはずだった。

 ところが、今年5月15日、総務省から「2.5GHz広帯域移動無線アクセスシステム事業免許方針」が出されたことにより事情が変わった。「当初は郊外エリアから都市部へと事業を拡大していく計画だったが、方針により、郊外か都市部、どちらか一方しかできなくなってしまった」。だが、競合であった3G事業者の免許取得は認められないというメリットに気づいた。

 資金調達に奔走することになったため申請は10月まで延期。3G事業者とは全社交渉し、結局はNTTドコモと提携し事業計画会社アッカ・ワイヤレスを設立するに至った。

 「ただ、ドコモとだけ事業を推進するのではなく、他業種とアライアンスを組むことで、付加価値の高いサービスを提供する『水平分業』を推進したい」。また、ADSL、光などの現業といかに連携を図っていくかで事業の広がりも変わる。「免許取得の可否はおそらく年内に分かるだろう」。アッカ・ワイヤレスでは09年3月にはサービスを開始し、13年には1500億円の売上高にこぎつけたい考えだ。(鍋島蓉子●取材/文)