英会話講師からメディア事業部に

 乗換案内ソフトを開発・販売するジョルダン(佐藤俊和社長)は今年3月、3DCGアニメーションDVD、「アニミュージック2」を発売した。同社は近年、ゲームや電子書籍などのマルチメディアに力を入れている。アニミュージックを手がけるプロジェクトは社長直轄で昨年立ち上がったばかりの部署だ。

 DVD販売を手がけるプロジェクトは同社のメディア事業部のなかで、昨年立ち上がったもの。このチームは、パトリック Y.キム氏(現・メディア事業部リーダー)が同社に入社したことがきっかけとなってスタートした。キム氏はもともと米国で日系企業の水産流通に携わっていた。「何か専門的な知識を身につけようと考えた」ことから、ITに興味を持ち、日本の大学院の国際情報通信研究科に入学した。キム氏がアルバイトを見つけようとしていたところ、たまたまジョルダンが英会話を教えられる人材を探していた。当時、同社は海外展開を目指していて、社員に英会話を身につけさせる必要があったのだ。そのことがきっかけとなり、キム氏はパートとして在籍、昨年、正式にジョルダンに入社した。

 キム氏は入社後、経営企画室でIR関係の仕事などに携わっていたが、その後社長の要請により、社長直轄のニンテンドーDS・DVDのプロジェクトを任された。

 同社はこのところ、マルチメディアコンテンツに力を入れている。昨年、KDDIコンテンツフォーラムで催されたCONTENTS AWARDのライフスタイル部門で同社の「乗換案内 for EZweb」が表彰された。「当社は乗換案内を軸として、時刻表を調べる以外にも、日常の空き時間を利用し、ライフスタイルを充実させるようなコンテンツを提供している」(キム氏)のだという。ニンテンドーDSやWii、最近ではiPod touchや、iPhoneなど人々を感動させる端末が登場してきている。メディア事業部ではこうしたさまざまな端末でデジタルライフスタイルを創出するような、製品やサービスを送り出している。

 キム氏を中心として、5人のプロジェクトメンバーがいる。同プロジェクトが現在手がけるのは、2006年に佐藤社長が米国Fry’sで視聴し、とりこになった3DCGアニメーション「アニミュージック」だ。米国の開発元が開発ツールから手作りし、延べ20年もの歳月をかけて作り上げた作品だけに思いもひとしお。日本での版権獲得には苦労させられた。(鍋島蓉子●取材/文)