RFIDシステム導入を視野に

 経営改革に向け、大同機械が取り入れた「ミーコッシュ」。担当ITコーディネータの小林勇治氏が掲げ、レベルアップに合わせてITシステムを導入する理論で、まずは「マインドウェア」から改善を実施した。

 具体的には、(1)自社利益中心主義」から「顧客利益中心主義」(2)「自社だけの部分最適」から「全体最適主義」(3)「受身」から「攻め」(4)「売上至上主義」から「利益中心主義」--などといった意識改革を進めた。小林氏は、「きちんとマインドウェアが社内に浸透するかどうかがカギ」としている。そのため、プロジェクトが始まってから1年ほど、小林氏がIT導入を口にすることはなかった。

 次に行ったのは「ヒューマンウェア」。この段階で、いよいよIT化が始まった。大同機械の経営革新に必要な情報システムのRFP(提案依頼書)を策定。複数ベンダーとの交渉でプライマリーベンダーとして選定されたのが日本システム開発だ。

 同社は、ネットワークインフラから情報系システムの製品・サービス提供までを一貫して行えるSIerである。顧客企業に適したシステムを一から構築する点で、業界を問わずユーザー企業を獲得している。そのため、大同機械のビジネス領域である建設仮設資機材の業界に合わせた製品・サービスも提供できるノウハウを持っている。大同機械がRFPを策定していたことから「RFPを策定して、まとめて提案してくれる案件はめったにない。スムーズにシステム開発が行えた」と、日和田博之・営業部マネージャは語る。「ベンダーに対して無理な要求を出すのはユーザー企業にとってもデメリットになる。両者が納得して初めて使い勝手のよいソリューションが完成する」という小林氏のコンセプトが活きている。

 システムが稼働したのは今年に入ってからなので、現段階で導入効果が出ているかどうかは測定できない。ただ、経理業務のなかに見積依頼などのバーコードをリーダーで読み取るだけでデータ入力が完了できるようにしたものがあり、入力作業の大幅な軽減につながっているようだ。大同機械の落合康全・代表取締役社長は、「徐々に効果が出てくる」と手応えを実感している。

 また、「マインドウェア」から始まった経営革新により、「社員の士気は高まっている。これまで手書きだったことから、現段階ではITシステムの操作に不慣れな点もあるが、社員が一丸となって前向きに習熟しようとしている」と、落合社長はいう。ITコーディネータを採用したことで、成長軌道の敷設に向けた社内のモチベーションが高まっているということだ。今後は、在庫確認など現場の作業効率化につなげるため、RFIDシステムの導入も計画する。(佐相彰彦●取材/文)