「全業務をつなぐ」を具現化

 日頃、コンビニやスーパーなどの店頭で目にする化粧品や食品用のカラフルな容器(ボトル)は、中身を見る以前に消費者の購買力を高める役割を果たす。こうした容器の多品種・少量発注に応えて製造・販売しているのが、今年で創業58年を迎えた竹本容器(本社・東京都台東区、竹本笑子社長)だ。同社の特徴は、注文を受けて金型を一つ一つ作って容器を製造するばかりではなく、1500種類以上の「スタンダードボトル」と呼ぶテンプレート容器に着色や装飾を施し、短期間に納品する仕組みがあることだ。

 顧客は化粧品や食品メーカーの大手だけでなく、中堅・中小どころを含め5000社に及ぶ。「新たに開発する商品の対象顧客が幅広く、毎年、取扱量の上位100社が入れ替わる」(菅井信二・常務取締役)ほどだ。高収益を確保するには、営業担当者が企画提案し、製造、物流、納品に至るまでを「いかに短縮するかが重要」(同)という。そのため、ITを利活用する社風は古くからあった。1996年以前にすでにオフコンを利用。その後にUNIXベースのクライアント/サーバー(C/S)型システムへと移行した。

 現在、同社の拠点は、本社や製造工場、印刷工場、営業所など国内8か所、関連会社が海外を含め7か所ある。89年に開設した茨城県結城市にある結城事業所の製造工場では、90年に自動倉庫システムの運用を開始。当時としては最新式のサプライチェーンを備えていた。しかし、「当時のC/Sは時代を先取りしすぎたのかレスポンスなどの期待値に大きな乖離があり満足度が低かった」(菅井常務)と、述懐する。そこで、00年にはこの自動倉庫と販売管理・経理業務を連携させるため内田洋行の業務パッケージ「スーパーカクテル」をベースに再構築している。

 この当時にシステム構築に携わり、今回(04年から06年まで)の再々構築でも尽力した人物が、ITコーディネータ(ITC)でITベンダーの技術者でもある加藤秀明・ジーベース情報システム社長だ。「ERP(統合基幹業務システム)を入れ、全業務をつなぎたい」。菅井常務からこんな依頼が届く。「スーパーカクテル」も最新式のシステムではあったが、商品発送で外部委託している「物流」に非効率な面を抱えていたためだ。

 営業担当者が受注してから製品を納品するまでの時間を短縮することが、高収益をあげる生命線となる。しかし、「処理システムが遅く夜9-10時頃にならないとトラックを出せなかったこともある」(菅井常務)ことからERP導入が最善と判断。ここから2年間、ある国内シェア上位のERPを利用し、第1期だけで1億7000万円を投資した大リプレースがスタートする。