今年は「普及元年」となるか

 中国やインドなどのインターネット人口の急増で懸念されるのがIPアドレスの枯渇。現行のインターネットは「IPv4」規格で成り立っているが、約43億のアドレス制限がある。新興国でのインターネット普及加速、さらにパソコン主流という従来型インターネットから、携帯電話、家電、自動車など、あらゆる機器でネットワーク化が進展している。

 「IPv4」は2010年から11年ごろには枯渇すると予想され、新興国の経済成長がさらに加速すれば“限界”は早まってしまう。国際紛争の引き金にもなりかねないと憂慮される。

 こうした状況で活用促進が計画されているのが「IPv6」という次世代規格。アドレス総数は340澗(かん)。どの位の数かというと、2の128乗、つまり340兆の1兆倍の1兆倍。半永久的に枯渇の心配はない。「情報家電」構想やユビキタス社会の実現にはIPアドレスの割り当ては欠かせず、「IPv6」普及は必至の状況だ。すでに政府の「u-Japan戦略」にもはっきりと普及方針が明記されている。NGN(次世代通信ネットワーク)の商用サービスが始まった08年は「IPv6普及元年」とも言われる。

 株式市場で関連企業として注目されているのは、ネクストジェン、ソフトフロント、サイバーコムなどNGN関連各社。次世代インターネット技術のフリービットもIPv6関連事業の育成を積極的に行っている。傘下に置くインターネットプロバイダーのDTIと連携して、遠隔地にある家電機器をパソコンや携帯電話、iPodなどを通じて遠隔操作できるサービスの提供を始めている。

 また、世界で一番IPアドレス不足が深刻な中国で、IPv6普及を促進する事業やユビキタス対応家電の自社開発を目指すなど、将来をにらんだ展開を進めている。(有賀勝久)