株安に対する不安も後退

 企業の3月期決算発表がピークを迎えている。注目される2009年3月期については、為替相場の影響もあり見通しは好悪まちまち。ただ、株価は今年3月にかけての急落で、業績悪化、景気後退を織り込んだとの見方が多い。米サブプライムローン問題の収束もあって世界的に株価は戻り歩調にあり、日経平均も5月に入り1万4000円まで回復している。

 株安に対する不安が後退したためか、好業績や材料出現に素直に反応するケースが目立つ。例えば松下電器産業。前期純利益は2818億円(前々期比30%増)となり、今期の3100億円(前期比10%増)と連続して過去最高。大坪文雄社長は「破壊と創造で生き残りレベルの営業利益率5%を超えた。社内のフェーズチェンジを実感している」と強気の発言をしている。年45円への増配、5000万株・1000億円を上限とした自社株買いの発表も好感され、株価は今年最高値となった。松下は三洋電機との経営統合の観測も報道された。仮に統合となれば売上高は11兆円超と日立製作所(約10兆円)を抜いて国内電機首位となる。

 ソニーは決算発表前に前期の営業利益が3800億円(前々期比5.3倍)と従来予想を300億円下回る観測が流れた。これは金融子会社が保有する有価証券に評価損が出るためで本業は好調。業績のV字型回復が見えてきた。株価は3月の3900円台に対して5000円近くまで回復している。

 また、ソフトバンクは中国のSNS大手のOPIへの出資比率を従来の約14%から40%に高め、実質的な経営権を取得する方向が伝えられた。OPIの会員数は約2200万人と日本のミクシィを上回る。そのミクシィは上海に現地法人を設立しており、同社やサイバー・コミュニケーションズなど中国でネットビジネスに進出している企業に関心が向いたようだ。(有賀勝久)