社内利用SNSをOSSで公開

 TIS(藤宮宏章社長)は、社内向けのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)をOSSとして、公開した。きっかけは、同社が社内で新しい技術情報などを共有する方法を模索していたことにあった。

 TISでは2003年から、社内にいる各技術のエキスパートを有効活用するための、情報共有の手段を模索してきた。当時は技術本部のメンバーから3000人近い社員に対し、ウェブサイトを使った情報提供を行っていたほか、実際にプロジェクトに参加して技術サポートも行っていた。「技術本部のメンバーは20人ほどしかいなかったし、この人数で大勢の社員に対し情報発信していくのは効率が悪かった」(倉貫義人・技術本部基盤技術センターエキスパート)と振り返る。

 これまではウェブメディアといえど、一方通行の訴求が主流だった。だが、ウェブ2.0が登場すると、双方向のコミュニケーションへと移り変わった。倉貫氏は、海外のウェブ2.0の動きを調査し、なかでもSNSに着目。05年10月に一度仕切りなおし、社内向けSNSの構築を開始した。当時、企業向けにパッケージを提供しているようなソフトメーカーは見当たらなかったという。

 技術本部は新しい技術を実施・検証する部隊だ。新技術として、オブジェクト指向スクリプト言語「Ruby(ルビー)」とアジャイル開発を採用した。秋から開発を始め、12月には公開と、構築にはほとんど時間をかけなかったという。同氏が口にするのは、開発よりも運営上の苦労だった。「社内利用のウェブサイトなら上からの指示で全員が強制的に入会させられるような形がとられていたと思う。今回のSNS開始に際しては、最初はブログを書くのが好きな人に入ってもらい、ある程度活気のある状態にしてから、招待制と自己申告制を併用するようになった」そうだ。現在は、技術情報から、はてはカレーのおいしい店の情報まで、さまざまな話題がSNS上で交わされるようになった。今では登録者数が全社員の約7割、記事数述べ2万件以上にも及んでいる。SNSは「社内の壁をスキップ」する意味から「SKIP」と名づけられた。

 社内SNSをOSS化する構想は昨年の6月に持ち上がった。2年以上社内運用し、ニーズを反映させてきた結果、機能的に成熟してきたことによる。OSSとして公開したのは「ウェブ2.0」の考えにのっとったゆえの判断だった。