目につくのはiPhone関連

 「54年ぶりの12日間連続安」という不名誉な記録が出てしまった6月以降の株価下落。もっとも、下落しているのは日本だけではなくむしろ海外のほうの下げ幅が厳しい。今年1-6月の株価騰落を見ると、上昇したのはブラジルなどわずか。中国、インド、トルコといった新興国の株価は20-40%の急落となっている。

 そうした状況下で、日本の株価は7%下落(米国は8%下落)と世界のなかでは健闘が目立つ。インフレ懸念が低いという理由から海外資金が日本株に流入してきた(4-5月は1兆円超の大幅買い越し)が、さすがに原油価格がここまで高騰すると、日本だけ別というわけにはいかない。原材料価格の高騰が企業収益を悪化させるとともに家計を圧迫して景気後退という悪いシナリオも浮上している。

 投資家心理も冷え込んでおり、ニュースにも株価が反応しにくくなっている。例えば、中期計画を発表したソニーは、1兆円規模のビジネス育成、BRICs向けの売上高を倍増させるという意欲的な目標を打ち出した。市況が良ければ好感されたところだが反応は薄く、評価は持ち越された格好だ。

 比較的株価強調が目についたのが「iPhone(アイフォーン)」関連。欧米などの景気後退懸念、円高進行などから輸出ハイテク株が見送られるなか、海外要因に左右されない企業の一つとしてソフトバンクの株価が堅調。関連部材メーカーのフォスター電機、村田製作所などおなじみの企業やソフトバンク系の携帯電話販売店が買われた。

 一方、今年1-6月のIPO(株式新規公開)はわずか24社。昨年の同時期の73社の3分の1となった。IPOは7月も1社にとどまるが、8月は10日発表分までで3社の上場が決まっており、回復の気配が出ている。一方で、米国でのベンチャー企業のIPOは4-6月にゼロとなり、市場の冷え込みが続いている。(有賀勝久)