ただしIT関連は好人気も

 株式市場が冷え込むなか、今年1-6月のIPO(株式新規公開)は24社にとどまった。10年ぶりの低水準だ。その10年前はいわゆる新興市場がジャスダック取引所(当時は店頭市場)しかなかった。地方取引所まで含めて5つの新興市場がある状況での、この数字は異常事態と言える。株価低迷に加え、新興企業の相次ぐ業績下方修正、大証とジャスダックとの統合騒動などが企業側の公開先送りや公開意欲減退を招き、それに加え投資家も成長企業投資に懐疑的になっていることがIPOの減少の背景にあるようだ。

 そうした状況下で上場した24社だが、人気は業種によって明暗が分かれた。株価上昇が目立ったのはIT関連。業種でいえば情報・通信になる。公募価格に対する初値上昇率でトップはネットイヤーの3.1倍(3.2万円が10万円)。ウェブサイト構築や、その活用マーケティング支援を手掛けることで、成長期待が人気につながった。これに続いたのがプライムワークス(2.6倍)、デジタルハーツ(2.3倍)。また、テックファーム、アクセルマーク、ビリングシステムも50%超の上昇率だ。

 一方で初値が公募価格割れとなったのは11社。不動産、小売業種の企業が並んだ。地価下落、景気悪化懸念から投資家に警戒ムードが広がった。このようにIPO不振といってもすべてが悪いわけではなく、IT関連中心に成長期待のある企業は買われているということを確認したい。

 4、5、6月はIPOがそれぞれ1社ずつだったが、8月は3社の上場が発表されている。IT関連ではベンチャーリパブリックが8月7日に大証ヘラクレスに上場。看板サイトであるパソコンや家電などを対象とした価格比較サイト「コネコネット」は業界2位。ヤマダ電機、ビックカメラなど大手家電量販店のものも含め、掲載情報は常時100万件超に及ぶ。(有賀勝久)