開始から半年で5万人

 SBIホールディングス(北尾吉孝執行役員CEO)の子会社のSBI Robo(渡部薫CEO)の前身はソフトバンクBBの子会社の「SoftBank Robo」だ。同社はその後SBIに移り、合弁会社「SBI Robo」として再スタートを切った。SBIでは金融系の検索ソリューションを開発していたが、次に検索のテクノロジーが生かせるものとして、開発したのが「SBI Business」だ。

 「SBI Business」はユーザーが実名でプロフィールを作成して公開することで、SEOにより名前での検索結果を上位に表示させ、正しい情報を伝えることが可能。人脈を広げ、ビジネスマッチングにもつながるソーシャルサーチサービスだ。

 米国ではインターネットを使っての転職活動がメジャーになっていて、雇用主はインターネットで就職希望者を検索し、評価する動きが出ているという。一方、日本は事情が異なる。「SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)ではハンドルネームを使い、掲示板では匿名で何かを言いっぱなし。こうした文化の下で実名を明らかにしたら、何をされるかわからない」(森田真一・執行役員CTO)というのが大きな懸念材料だった。

 だが、実際の状況をみると、人材の評価は会社内だけにとどまらず「ネット上に残されたブログへの書き込みなど、そうした情報活動もひっくるめて評価される時代になっている」(同氏)。インターネットでは情報が真か偽か疑ってかからなければならないが、本人自身が公式に発信している情報をSEOで検索エンジンの上位に表示させることで、正しい情報を伝えることができる。

 日本で企画などを行い、昨年末までは中国で開発していた。ところが、四川大地震で開発拠点が被災してしまい、国内で開発を進めることになったという経緯もある。今後の展開については、「もっとビジネスパーソンのサポートを充実させたい」としている。現在でもヤフーとグーグルの検索結果を並列して表示するマッシュアップ検索サービス、RSSリーダー機能など、サービスを積極的に追加している。この8月には有価証券報告書の検索サービスを取り入れた。

 今年1月にサービスを開始したところ、わずか半年間で5万人のユーザー数に到達した。「実名のメリットに賛同したビジネスパーソンが多かったのだろう」と森田氏は評価する。それでも「方向性としては何百万人のネットワークが形成されて、初めてこのサービスの価値が出る」と意欲を語っている。(鍋島蓉子●取材/文)