新興株市場は投資家離れ深刻

 米国の金融不安を引き金に世界各国の株式市場が急落。今年前半まで人気を集めていた新興国の株価も軒並み下落している。日本の株価を見ると、今年に入って9月末まで日経平均は28%の下落で、これは米国(ダウ30種平均)の19%下落を上回る。電機、自動車、機械セクターは輸出比率が高く、海外景気の影響を強く受けるほか、株式市場も外国人投資家に振り回される。つまり、何もかもが“海外頼み”という弱さが株価に出てしまった格好だ。なかでも投資家離れが深刻なのは新興株市場。ジャスダック市場全体の9月末の時価総額は9兆2200億円で、昨年末に比べて31%減少。2003年12月以来の10兆円割れだ。同期間で東証マザーズ市場は49%、大証ヘラクレス市場は42%の時価総額減少となった。

 主なIT関連企業の時価総額を見ても、年初から9月末まででヤフーが30%、ミクシィは51%、ACCESSは65%の減少となっている。ところが同期間で時価総額を増加させている企業もある。楽天(増加率は6%)、サイバーエージェント(10%)、フリービット(65%)、ビットアイル(19%)、ザッパラス(79%)など、好業績企業や成長期待のネット関連企業は株価が上昇した。

 一方、今年1-9月のIPO(株式新規公開)は散々。32社が新規上場したが、この半数にあたる16社の初値が公募価格を割り込んだ。ネットイヤーのように初値が公募価格の3倍しながらも、その後、業績予想を大幅に下方修正し、株価が公募価格を下回るまで急落したケースもある。

 例年10月は上場ラッシュとなる(昨年は12社)が、今年はわずか5社。そのなかでは、10月28日に東証マザーズに上場するクロス・マーケティング(インターネットを用いた市場調査活動)がIT関連企業としてどこまで踏ん張るか注目される。(有賀勝久)