アーティストの協力得て若手育成

 NECビッグローブ(飯塚久夫社長)は今年、若手クリエイターの育成を目的としたポータルサイト「クリエイターズプラネット」を開設した。同社は自社独自の電子出版事業「BIGLOBE パブリッシング」に加え、東京造形大学と共同で若手アーティストを育てる事業などを展開している。そこには上流のコンテンツライツビジネスへの参入に加え、若手の才能を発揮できる場所の提供、自社の若手ユーザーを開拓する目的など、さまざまな意図が含まれている。

 「ビッグローブがコンシューマ事業に進出して10年。親会社も大手IT機器ベンダーのNECであり、これまでコンテンツの上流の経験はない」(杉本好司・ポータル事業部グループマネージャー)。そのため、出版社に勤務していた人材やビジュアルアート、映画など各方面の第一線で活躍するアーティストの協力を得て、勉強しながら事業を進めているところだ。


 クリエイターズプラネットのコンテンツは5ジャンルに分けられる。CGアニメーションや二次元アート、映画などさまざまな作品の発表、シンポジウムやコンペティションの場である「クリエイターズアリーナ」、作品をオンライン上で映像で流す「TOHOシネマズ学生映画祭」、作家を育成し、電子出版を行う「BIGLOBEパブリッシング」、若手落語家の噺を映像として流す「BIGLOBE寄席」のほか「学生競技ダンス」の5ジャンルだ。それぞれプロが育つ可能性があり、若年層が共感するようなコンテンツを選ぶことで厚みを持たせた。


 例えば、「BIGLOBEパブリッシング」で電子出版された「パープルレイン」(Lily著)は、小学館から文庫としても発売され、2万部を売り上げた。クリエイターズアリーナでは、自社で権利を持っているBIGLOBEパブリッシングの小説などを題材にした2次創作なども募集し、サイトの活性化を図っている。


 ビッグローブがこうした場を提供することが縁となり、若手アーティストと一線で活躍するアーティストとの接点もできることになる。


 今後力を入れたいのは、アプリケーション開発での若手の育成。プログラミング・クリエイターなどと一緒に開発していきたいとしている。


 「いずれは、自分たちのレーベルで展開していきたい」とその構想を語る。今はまだプロトタイプ作りを行っていて、コンテンツのマネタイズ(貨幣化)に向けた試行を続けている。(鍋島蓉子●取材/文)