嵐去れば日本株は見直される

 一時は日経平均が26年ぶりの安値水準にまで下落した株式市場。政府の経済対策発表や株価対策(空売り禁止)で、とりあえず最悪期は通過との見方が出始めた。ただ、海外ファンドの株式運用撤退に伴う売りはまだ続く可能性があり、当面は株価の乱高下が続きそうだ。日本株の下げが大きいのは、下値で買いを入れる個人投資家が不在(育っていない)なためだが、海外ファンドの売りという嵐が去れば異常な割安水準にある日本株は見直されよう。

 混乱のなかにも先行きのヒントになりそうな動きもある。例えばヤフー。米国ヤフーが業績悪化に苦しんでいるのと対照的に日本のヤフーは好決算を発表して関心を集めた。2008年4-9月期はインターネット広告が牽引して売上高は1316億円(前年同期比12%増)、営業利益は659億円(同10%増)と拡大。10-12月期については営業利益が4-11%増と見通しは控えめだが、検索連動型広告システムの刷新、行動ターゲティングの導入などで収益体質を“打たれ強く”変革させていることなどが評価されている。株価は10月上旬には2万5000円台と4月高値の半値以下に下落していたこともあり、3万円台に上昇。海外に左右されない内需型の好業績企業に先行き関心が向く公算が大きい。

 IPO(株式新規公開)も波乱となっている。10月30日には電算システムが東証2部に新規上場。公募価格850円に対して初値は790円と厳しいスタート。04年に売上高が100億円を超えたことで上場を目指してきた。システムソリューションは、経営を効率化する統合業務管理ソフトを開発する。また、利益率の高い収納代行サービスが業績拡大に寄与。初値形成時でPER(株価収益率)は6倍台、PBR(株価純資産倍率)は0.9倍と割安な水準にあり、市場全体が落ち着けば見直しの動きが出そうだ。(有賀勝久)