次世代Key Projectの曙光

<次世代Key Projectの曙光>81.ライブドア(上)

2008/11/24 20:42

週刊BCN 2008年11月24日vol.1261掲載

次の柱つくる実験的な取り組み

 ライブドア(出澤剛社長)は若手社員から、ベテランまでが新しいアイデアを出し合い、サービスを提供する実験的な場としてライブドア ラボ「EDGE(エッジ)」を開始した。

 「EDGE」はライブドアの前身の「オン・ザ・エッヂ」に由来する技術への「原点回帰」と、エンジニアが持つ技術力をもとに“エッジの効いたサービスを提供する”という二つの意味が込められているという。


 「次の柱となりうるサービスやコンテンツのアイデアを、社内全体から集められないかと考え、2007年の7月に第1回の社内コンペを行った」(ネットサービス事業部 ネットサービスビジネスユニット 企画グループの櫛井優介マネージャー/ディレクター)のがプロジェクト開始のきっかけだ。


 職種を問わず、ベテランから若手まで幅広くアイデアを募集し、社長や執行役員の前でプレゼンを行う。これまでに社内コンペを3回行ったが、そのつど30-40ほどのアイデアが集まるという。「中野ブロードウェイにリアル店舗を出せばライブドアのビジネスとシナジーが発揮できると、中野ブロードウェイの賃料なども調べて熱弁した社員や、漫画喫茶の情報サイトを作りたいとプレゼンした社員もいる。漫画喫茶のプレゼンをした社員は『今日、漫画喫茶から会社に来ました』の一言で役員を笑わせて、社長賞を受賞した」(池邉智洋メディア事業部 開発部 執行役員/CTO)などと、さまざまな案が飛び出す。


 コンペでグランプリを受賞すると、会社の指示でアイデアを形にしていくが、それ以外のアイデアであってもエンジニア主導で自主的に開発を進めることができる。「グーグルには20%の時間を自分の好きなことに使っていいという、有名な『20%ルール』というものがあるが、ライブドアの場合は『120%ルール』。グランプリ以外は120%ルールで開発したものも多い」(櫛井マネージャー/ディレクター)という。


 昨年12月にリリースしたタスク管理ツール「fixdap(フィックスダップ)」がアイデアをサービスとして形に結びつけた第一号だ。「ライブドア本体のサービスにするか、ラボにするか迷ったが、ラボで出していったほうがいいと思い、ラボに後付けした」ものだ。


 公開の場としてのWebサイトは今年8月に設置した。Webサイトも熱意のある社内の協力者が120%ルールに近い形で設置したという。(鍋島蓉子●取材/文)

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