3年後には1兆円市場の予測

 不安定な状態が続く株式市場だが、先行きの展開材料になりそうなテーマを探る動きもある。

 例えば大きなマーケットを形成している携帯電話、モバイル通信関連市場では、市場活性化役としての期待をこめてMVNO(仮想移動体通信事業者)という業態に関心が向いている。MVNO(Mobile Virtual Network Operator)とは、NTTドコモなどの無線通信事業者のインフラ設備を借りて独自サービス事業を行う企業のこと。

 このMVNOというテーマ自体は数年前から株式市場では登場しているものの、その割には普及している実感がない。すでに市場に参入しているMVNOはキャリアが卸したネットワークを仕入れ、その上に自社サービスを乗せるため、料金設定などに制約が多く、不自由で利幅の薄いサービス運営者に徹するしかなかった。

 ところが日本通信(大証ヘラクレス上場)が、今年8月に日本で初めて「相互接続」という形態でドコモと協定を締結、にわかに関心が高まってきた。日本通信が総務省の裁定が下りるまで奮闘して獲得した「相互接続」は料金設定や端末自由度が格段に高い。日本通信では3Gネットワークを使用したサービス提供で収益拡大を図る。

 総務省のモバイルビジネス研究会の予測によると、MVNOの市場規模は2011年に1兆円、2015年には2兆円を超えるという。諸外国での主流である低価格訴求型のMVNOではなく高付加価値型MVNOの普及が予測の前提。内容は、携帯型ゲーム機などに通信機能を付けたユビキタス端末MVNO、新聞社など企業によるコンテンツMVNO、スマートフォンなどのFMC MVNOなどが成長するとしている。

 モバイル通信市場は加入契約約1億台、“国民皆携帯”の定着で頭打ち感があるが、新たなサービスやプレーヤーを呼び込んで次の成長を狙う。(有賀勝久)