カメラ使って年齢・性別を識別

 NECソフト(国嶋矩彦社長)は、今年10月、性別・年齢層自動推定システムの新バージョン「FieldAnalyst(フィールド アナリスト)Ver2.0」を販売開始した。同システムは店内などに設置したカメラの映像を使って、人数、性別、年齢層を自動で割り出し来客の分析をする。この技術は先進技術の開拓や未来のビジネスへのインキュベーションを行う「VALWAYテクノロジーセンター」で開発されたものだ。

 VALWAYテクノロジーセンターでは主にナノ・バイオ、画像解析関連の研究開発を行っている。年齢・性別を識別するアイデアは、もともとマルチメディアの研究を行っていたプロジェクトから生まれた。アイデアが生まれたのは2001年のこと。ビデオカメラが安価になり、いろいろな用途に活用できるようになったのが背景にある。「セキュリティや顔認証、工場の不良品検出など、さまざまな使い方があるが、他の用途を見出せないかと考えた」(金子賢一・VALWAYテクノロジーセンター 研究開発マネージャー)ことが直接のきっかけだ。例えば、ショッピングセンターやコンビニエンスストアなどの実店舗では、どのような客層が来ているか把握したいというニーズがある。


 画像チームのなかで「これはいける」という確信を持ち、02年からはロボットによる顔認識などを研究する大学研究室や、NEC北米研究所とも共同研究を重ねた。


 画像でパターンを認識し、独自アルゴリズムで年齢・性別を判別する。最初のプロトタイプができたのはそこから2年後の04年だった。同年からフィールドテストを開始したが、懸念は実店舗での判別精度だった。「照明具合などは想定していたものの、実際に試してみると西日が入ったり、若干暗かったり。人もまっすぐ歩くわけではなく、顔の向きも違う。アルゴリズムの改造には2-3年かかった」と振り返る。


 結局、製品化には02年から5年の歳月を要した。07年9月に最初のバージョンを発売。発売以前からショールームや展示会に出展していたこともあり、反響は大きかった。「すごくいいという反響は得たものの、なかなか導入には至らなかった」(豊嶋英生・VALWAYテクノロジーセンター 市場開発グループ 事業開発マネージャー)という。顧客は「まだ導入事例がない」ことを気にしていたのだ。また、計数器などを使った人手による調査と比較した投資対効果を気にする顧客も多く、販売するのは一筋縄ではいかなかったという。(鍋島蓉子●取材/文)